【ポーカー採用】学生「面接では言えないようなことを言えた」 ビジネスとの共通項は戦略性や論理的思考力…企業側メリットに“自社に関心ない層”と“能力高い層”との接点
「関心層外」と「能力重視」の課題に挑む
「Live News α」では、働き方に関する研究・調査を行っている、オルタナティブワークラボ所長の石倉秀明さんに話を聞いた。 堤礼実キャスター: 長く人材の採用に携わってきた石倉さんは、「ポーカー採用」どうご覧になりますか。 オルタナティブワークラボ所長・石倉秀明さん: 一見奇抜に見えますが、狙いが分かりやすいです。実は、新卒採用にある2つの課題をクリアしている取り組みじゃないかと思います。 1つ目は、自社に関心を持ってくれている学生「以外」と出会うことが出来ること。就活の説明会やインターンでは、自社やその業界に興味を持っている学生しか、集めることは難しいです。 それはそれで大事ですが、自社の採用基準に合っている、関心を持ってくれない層にどう接触するかという課題はどの会社にも常にあります。それがポーカーという自社と関係ない入り口だからこそ、実現できると思います。 堤キャスター: もう一つの課題については、いかがですか。 オルタナティブワークラボ所長・石倉秀明さん: もう1点はやはり、能力が高いと思われる層と接点を持ちたいということもあり、特に論理的思考力を重視する企業は多いです。 ポーカーのように論理的思考力や確率統計などを、瞬時に理解できる人が有利なゲームであれば、それを測ることができます。 また、こういった珍しいイベントや、ポーカーのように論理的思考力が試されるイベントに参加する学生は、自分の能力に自信がある学生であることも多く、企業としても優秀な学生との接点になりやすいので、前向きになる企業は多いのではないでしょうか。
ポーカー採用の成長に求められる質と規模の両立
堤キャスター: 一方、課題などはあるのでしょうか。 オルタナティブワークラボ所長・石倉秀明さん: 企業のニーズを満たす学生を集めながら、イベントを拡大できるか。これが問われると思います。 開催回数が少ないうちは参加する学生を選抜して絞ることができますが、誰でも参加できるようになると、企業からすると魅力が半減してしまいます。 イベントをビジネスとして展開するには、企業のニーズを満たしていくことが必要なのですが、そうなると拡大しづらく、イベントを大きくできないという提供事業者のジレンマがあるのではないかと思います。 今後はいかに「自社の活動では出会えない」かつ、「論理的思考力の高い層」との接点をどうやって継続的に作り続けていくか、というのが大きな課題なのではないでしょうか。 堤キャスター: ゲームを通じて、よりリアルにその人を知ることができるというのは面白い発想ですよね。優れたコミュニケーションには、ちょっとした遊び心も大切なのかもしれません。 (「Live News α」1月9日放送分より)
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