ザ・ぼんち、『THE SECOND』への挑戦を語る「気持ちで負けたらあかん」「ギラギラに飛び込むチャンス」
賞レース『THE MANZAI』にも出場「青春時代を探し求める旅に」
――改めて、この『THE SECOND』にエントリーしたのは、どんな思いがあったのでしょうか? まさと:同年代が集まって話してると、趣味の話してるうちに、やれ膝が腰がって話になって、気づいたら出番くるまでずっと薬のことしゃべってるんですよ。それが、ルミネ(theよしもと)とか、大宮(ラクーンよしもと劇場)とか、沼津(ラクーンよしもと劇場)とかの劇場に出ると、若いのがみんなキラキラじゃなくて、ギラギラしてるよ。それ見てたら楽しくて、この中に飛び込むチャンスがあるんだったらと思って、おさむさんに話しました。 おさむ:僕も前からチャレンジしたいと思ってたから、「じゃ、いこか」ってね。もう行くんやったら前後考えずに行てまえ!っていうタイプやから。 ――2014年に賞レースの『THE MANZAI』にも出場されましたが、そのときも同じような思いがあったのですか? おさむ:やっぱり昔のドキドキハラハラの気持ちをもっぺん取り戻そうというね。青春時代の自分たちを探し求める旅に出たという感じでしたね。 まさと:未来のある人たちのチャンスを奪うのは嫌やけど、どこまでやれるかいってみようっていうんでね。だからその時も、出れるところがあるんだったらトライしたいなと思って。 ――今回のエントリーが発表されてからの反響は、いかがでしたか? まさと:ここに出ることに「偉いですね」とか、すごくお褒めの言葉が多かったですね。 おさむ:「すごいな」って言ってくれましたね。あと、金属バットが「師匠と当たりたいです」って言うから、「俺はお前んとこと当たりたいわ!」って言ってやりましたわ(笑) ■「おさむちゃんです!」も簡潔に…ネタ時間との勝負 ――エントリーを決めてから、どのように準備して臨んだのでしょうか。 まさと:問題はネタ時間(6分)です。敵は対戦相手やなくて時間でした。最初の挨拶を除いたら5分40秒ぐらい。これは僕ら劇場に出てる人間からするとキツい。やれるにはやれるんですけど、ただ短くするだけでは点数に加算されないから、ドカーンとなる小爆弾を入れて5分40秒にせなあきません。そのネタを作るために、4カ月ほど「イイ~~!!!」ってなってましたな(笑)。元々あるネタをいいとこ取りしたり、他のとこから引っ張ってきたり、そんなんばっかりしてました。 ――ザ・ぼんちさんと言えば、冒頭でおさむ師匠が「おっ、おっ、おさむちゃんです!」とたっぷり時間を使ってツカミの挨拶をするのがおなじみですが… おさむ:あれやったらネタ入ってすぐ終わっちゃうから、そのための時間はとらなかったんですよ。 ――おふたりくらいの芸歴のある大ベテランの漫才師さんだと、やはり時間にゆとりを持ってフリからオチに持っていくスタイルが多いと思うのですが、現代の賞レースで主流になってきている、いかにボケの数を詰め込むかというトレンドに合わせていたのが印象的です。 まさと:冷静に考えたら、全然違う話を持ってきてつなげてたりするんだけど、そうしないとここのルールでは勝てないですからね。 おさむ:ベテランと言いながら、若い人みたいに「現役やで」って見せたいだけです。ちょっと足腰弱いけどね(笑) ――50年以上にわたり漫才を見てきて、やはり技術の進化というのは感じますか? まさと:『M-1(グランプリ)』を超えて16年目以上の人たちが、三段跳びみたいに力つけてきとるから、この『THE SECOND』っていうのは、ほんまに誰が勝つか分からんですね。 おさむ:今の若い人は、話の持っていき方が上手だからスーッと入るしね。僕も勉強せなあかんこといっぱいあるんですよ。でも僕がああいうふうにやったら暴走がなくなって面白くなくなるから、僕は僕を追求したほうがおもろいなと、改めて思いました(笑)