『エルデンリング ナイトレイン』成功のカギは? 協力プレイに求められる要素と、シリーズファンからの期待を考察
バンダイナムコエンターテインメントおよびフロム・ソフトウェアが昨年12月に発表した『ELDEN RING NIGHTREIGN(エルデンリング ナイトレイン)』。2025年内に発売予定の本作は、『ELDEN RING』の世界観を基にした最大3人での協力プレイを楽しめるというタイトルだ。 【画像】期待の新作『ELDEN RING NIGHTREIGN』のコンセプトアート フロムソフトウェアといえば、『ELDEN RING』や『DARK SOULS』等の「ソウル」シリーズや、『ARMORED CORE』シリーズといった骨太の作品が多いイメージだが、本作は短時間での協力プレイをメインとした、異色の作品となっている。 今回はそんな本作について、すでに公開されている情報をまとめつつ、本作に期待することや、成功のために必要なことはなにかを考察する。 ■『ELDEN RING』をベースにしたエリアが狭まるサバイバルRPG 本作は『ELDEN RING』の敵や武器などの要素の一部を引き継ぎながらも、新鮮な体験を楽しめるゲームとなっている。まず、本作の舞台は「リムベルト」と呼ばれる広大なフィールドで、プレーヤーは昼は自由にフィールドを探索してキャラクターを強化、時間とともに探索できるエリアは狭くなっていき、夜に出現するボスキャラクターとの戦闘に備えることとなる。3日目に出現する「夜の王」と呼ばれるボスを撃破すればゲームクリアとなる。 プレイするたびに敵や拠点、入手できる武器やアイテムが変化し、プレイヤーのレベルも1に戻る、ローグライクのようなシステムとなっており、変化に合わせてキャラクターをどう強化するかや、どう戦闘するかを考えながらプレイすることがカギとなりそうだ。 また、本作は自由にキャラクターメイクができるわけではなく、8人の「夜渡り」と呼ばれるキャラクターから選択してフィールドに挑むものとなっている。キャラクターは剣士や亜人、魔女などさまざまな出自があり、それぞれ性能が異なっている。キャラ固有のスキルとアーツを活かした戦闘が楽しめる。特殊なダガーで敵を傷つけて弱点を作り出したり、巨大な墓石を呼び出す大技といった能力が用意されているとのことだ。 なお、本作ではゲームを1周クリアするごとに、キャラクターにステータスやスキルを強化する「パッシブ」を付与できる「遺物」や、拠点で使用できる通貨「マーク」を入手できる。「マーク」はエモートやスキンのほかに、対応する遺物をセットできる台座等を購入可能とのことで、何度もプレイすることでキャラクターを強化したり、お気に入りのスキンでゲームに挑んだりといったことができそうだ。 ■戦闘の難易度やリプレイ性がどうなるか このように、本作は『ELDEN RING』とはまったく異なる体験をユーザーに提供してくれることが期待できる作品となっている。それだけに、戦闘の難易度やリプレイ性は気になるポイントだ。 『ELDEN RING』は高難易度のボスキャラクターに何度も挑みながら攻撃パターンを覚え攻略していく「死に覚え」をするゲームだったものの、本作のシステムではそれが難しい。また、本編ではどうしてもボスが倒せない場合は道中でレベルを上げ続け、高いステータスで一蹴するといった攻略法も存在したが、こちらも困難だろう。 本作のシステムを考えると、フィールド探索によるアイテム入手やレベリングを効率的に進めれば戦闘がかなり楽になるようなバランスなら、より多くの人が楽しめるゲームになるはずだ。その一方で、探索すれば簡単にクリアできるゲームでは、歴戦の“フロムゲー”ファンにとっては物足りないものになることも懸念される。それだけに、バトルの難易度調整は難題となりそうだ。 また、何度もプレイすることになるゲームシステムだけに、マップやボスの変化といったリプレイ性も重要となる。進行に応じてマップにも大きな変化があるとのことなので、特定の行動やアイテムが強すぎるといったことがなく、何度プレイしても新たな発見があり、上達を感じられるような奥深いゲームシステムを期待したい。 また、戦闘・探索でほかのプレーヤーとどのように協力するかも気になるところ。スキル同士のシナジーや、強力な連携が発見されれば、パーティでの戦闘が楽になるだけではなく、より「みんなで強敵に挑んでいる」という感覚を楽しめるはずだ。探索でも、ひとりでは不安な場所の攻略に仲間を引き連れていったり、みんなで散らばることで多くのアイテムを入手してきたりといったふうに、さまざまな攻略が考えられる。ほかのプレーヤーとのコミュニケーションは、テキストチャットやスタンプなどではなく、ピンとジェスチャーによる「ゆるいつながり」になるとのことだが、ボイスチャット(VC)をつないでいなくても戦闘や探索で連携が取りやすい要素があれば、ストレスなく協力プレイを楽しめるのではないだろうか。 最後に、シリーズファンならば過去作とのつながりは気になるところだ。本作は『ELDEN RING』本編とは「破砕戦争」が起きたことは共通しているものの、それ以外は異なる並行世界という設定となっており、『ELDEN RING』で明かされなかった謎が解明されることはないとのこと。 それは少し残念だが、本作のトレーラーでは『ダークソウル』の「百足のデーモン」風の敵などが確認されている。これまでに公開されたインタビューによると、本作のディレクターである石崎淳也氏が、『ダークソウル』、『ダークソウル3』のディレクターである宮崎英高氏と『ダークソウル2』のディレクターである谷村唯氏の許可をもらって過去作の敵を登場させたとのことだ。「ソウル」シリーズの敵が登場するのであれば、「デミゴッド」のような『ELDEN RING』とつながりのある強敵の登場にも期待したい。 ■ネットワークテストが実施予定 『ELDEN RING NIGHTREIGN』はこれまでのフロムゲーとはまったく異なる体験ができるゲームになっていることは間違いないので、大いに期待したいタイトルだ。なお、本作は課金要素は存在しない、買い切りのゲームとなっている。昨今話題になりがちな「突然のサービス終了」といったことはないので安心してプレイできそうなのもありがたい。ソロプレイも可能だが、3人での協力プレイがベースになるとのことなので、いまのうちから友人を誘っておくといいだろう。 そんな本作だが、PS5、Xbox Series X|S向けのネットワークテストを今年2月に予定している。テスターの募集を1月10日~20日まで行なっているので、気になる方はぜひ応募してみてほしい。
堀江くらは