【山口県】ニーナさん「平和の心持って帰る」 ウクライナへ一時帰国
ウクライナ出身で山口県下松市在住の古谷ニーナさん(29)が今月中旬、2人の子どもと共にウクライナへ一時帰国する。 ロシア侵攻に対し、前線で戦って負傷していたニーナさんの弟が一時的に戦地から離れることと、アメリカからの軍事支援が始まったことを受け、一時帰国を決めたという。 共に帰国する長女の玲奈さん(4)は幼少期にウクライナに行ったことがあるが、長男の由良さん(1)は初の訪問となる。 出発前の8日には周南市の遠石市民センターで、周南国際交流児童クラブから帰国するニーナさんへ着物着付体験、同クラブ会員の子どもが描いた平和の絵、ウクライナの国花のひまわりが贈られた。 2年ほど前からユニセフを通じてウクライナに募金を続ける同クラブ。笹村守事務局長(74)は「少しでも明るい気持ちで帰って欲しい」と話す。 日本に残る夫の晃一さんは「正直、帰って欲しくないという思いはある。だけど、子どもたちには家族と会って欲しい」と複雑な心境を語る。 ニーナさんは「チケットを買うまでは不安だったけど、買ってからは吹っ切れた。弟の子どもに日本の浴衣を持っていきます。日本の優しさ、平和への想いをウクライナに伝えたい」と着物を着る機会をくれた同クラブに感謝しつつ、母国への想いを話した。 この日、大学時代に撮った着物姿の写真を家で見て、平和だった昔を思い出したというニーナさん。「あの時と同じ、今この瞬間も平和な気持ち」と話す笑顔が印象的だった。日本には9月中旬に戻る予定。