日本株の上昇、24年秋に再加速か 注目すべきデータは…◇第一生命経済研究所首席エコノミスト 熊野英生
失速はいつから?
世界の半導体ブームが、株価にも強い影響力を及ぼしているという見方には説得力がある。新型コロナウイルス禍の中で、中国経済は20年後半から急激に立ち上がった。その原動力も半導体ブームだった。そのブームは22年には終了し、23年前半まで、中国以外の国々でも経済成長率を鈍化させた。 しかし意外なことに、日米の景気は23年後半には底堅く、24年前半もその上向きの流れが続いている。株式市場では、米国の利下げ開始が遠のくので、株価はもう上がりにくいとみる人が多いが、筆者は、いずれ半導体サイクルが上向きになる力が強くなり、24年秋以降に米国株は再び上がるとみてよいと考える。日本株もそうした米国株の動きに連動し、秋に再加速すると予想される。 株価失速があるとすれば、25年に入った後から26年前半になると予想できる。楽観ばかりしてはいられない。