日本のゲーム開発は終わったのか? 主役は家庭用ゲームからスマホゲームに
家庭用ゲーム市場を大きく上回る国内スマホゲーム市場
ただし、日本市場は様相が違っています。PS4は130万台程度しか売れていません。キラータイトルとして期待された3月発売のアクションゲーム「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」(スクウェア・エニックス)は、PS4版が23万本売れたものの、国内だけで、100万本といった大ヒットを生み出せる環境にはなっていません。今年発売が期待されているロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジー15」(スクウェア・エニックス)が控えているものの、日本国内だけで、数百万本を売るような、PS2時代のような環境が、年内に整うことは難しいと思われます。 日本の多くの家庭用ゲーム会社は、家庭用ゲームの開発を積極的に行うことを躊躇している状態にあります。同じく4月に、コナミのホラーゲーム「サイレントヒルズ」(PS4用など)の開発の中止も明らかになっています。これは国内だけでは今後のヒットを期待できない状況も考慮した結果だと考えられます。 それでは、日本のゲーム市場の元気がないかというと、そんなことはありません。日本では家庭用ゲームよりも、スマートフォン用のスマホゲームの市場が、はるかに凌駕する規模になっています。 家庭用ゲームのソフト市場は、2014年はエンターブレインによると2264億円でしたが、スマホゲーム市場は、日本オンラインゲーム協会の見込みでは6584億円でした。この市場規模はアメリカのスマホ市場よりも大きいとみられています。ここ数年で、家庭用ゲーム市場を追い抜き、急成長を続けています。 パズルゲーム「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント)や、アクションRPG「モンスターストライク」(ミクシィ)に代表されるゲームが、高校生ぐらいから30代ぐらいの幅広い年齢層に支持されています。どちらのゲームもリリースされてから1年以上が経過していますが、ゲームをリリースしたら終わりでなく、様々な機能が追加されていることもあり人気が続いています。女性に人気のあるパズルゲーム「LINE ディズニーツムツム」(LINE)や、家庭用ゲームに遜色ない映像の3DグラフィックスのRPG「白猫プロジェクト」(コロプラ) など多様なゲームが登場しており、独自の進化を続けています。 日本市場の特徴は、ユーザー1人あたりの課金金額が欧米圏よりも高いところにあります。ゲームに課金しているユーザー数は5~20%といわれています。その中には、月に数万円を使っているユーザーも少なくありません。1回あたり300円で遊べるランダムで当たるクジで、ゲーム内で使用できるアイテムやキャラクターを得られる「ガチャ」を日本人は好む傾向があり、これが課金金額を引き上げる要因になっています。 スマホを所有しているユーザーの年齢が、家庭用ゲームで遊んでいる10代に比べて高いために、使えるお金に余裕があることも、高い金額を払うユーザーがいる要因になっています。