千葉雄大の鬼気迫る演技に驚く声が続出!天才ハッカーを演じた、綾野剛主演「アバランチ」
杉咲花主演の「アンメット ある脳外科医の日記」で自信家の医師・星前宏太を演じ、これまでの"あざとかわいい"イメージを覆したとその演技が話題になった千葉雄大。確かにチャーミングな笑顔が魅力の千葉だが、その実力も確か。ひとりで宇宙に滞在する"コミュ障"気味の宇宙飛行士を演じ、吉岡里帆や門脇麦とリモート共演した主演ドラマ「40万キロかなたの恋」の演技はコミカルで、ショートドラマだったのがもったいないほど面白かった。 【写真を見る】千葉雄大が天才ハッカーを演じた「アバランチ」 そんな千葉が若き天才ハッカーを演じたのが綾野剛主演の劇場型ピカレスク・エンターテインメント「アバランチ」である。藤井道人らが監督を務めた本作の魅力は、構築されたストーリーとドラマでありながら途切れない緊張感とスリル、そして、国と警察の闇に立ち向かう最強集団"アバランチ"のキャストたちの強力さにある。アバランチを立ち上げた警視庁特別犯罪対策企画室・室長の山守(木村佳乃)、テロ事件に巻き込まれた過去を持ち、どん底から覚醒し、メンバーになった羽生(綾野)、元コヨーテ(自衛隊の特殊部隊のレンジャー)のリナ(高橋メアリージュン)、警視庁の爆弾処理班に所属していた打本(田中要次)、優秀なデイトレーダーにして天才ハッカーの牧原(千葉)。誰もがそれぞれに秀でた能力を持ち、チームワークによって発揮される力と孤独を知っているメンバー揃い。そこに山守の部下であり、警察幹部の父を持つ西城(福士蒼汰)が巻き込まれていく前半の展開から一気に引き込まれていく。チームの中での一番の頭脳派である牧原を演じる千葉は、一見可愛らしい愛されキャラだが、本作でも意外な顔を見せている。 ■天才ハッカーが取り乱す回での千葉の演技に驚く声が続出! 第2話「正体」は、マッキーこと牧原の過去にフォーカスが当てられる内容だ。事件を追う過程で、難しい注文にも笑顔で応え、企業の秘密情報や防犯カメラのプログラムコードを瞬殺で解読する牧原だが、山守から転落死した夏川洋子(中島亜梨沙)について調査するように命じられた時には動揺。その表情の変化にいち早く気がつくのが羽生だ。捜査過程で自殺と認定された夏川が何者かにさらわれる映像に辿り着いた牧原だが、その手柄を評価する山守に対して「それだけじゃダメなんだよ!奴らが何者かわからないと探しようがない!」と声を荒げ、感情を制御できなくなり、机を叩き出す。そこで見せた千葉の演技は、アバランチのメンバーのみならず視聴者もフリーズするほど真に迫っている。 そんな牧原の肩を羽生が優しく叩き、「夏川洋子とどんな関係?」と問いかけたことによって、牧原がなぜアバランチに入ったのか、その過去が明らかにされる。その揺れ動く心情を見事に表現した千葉の演技に涙する視聴者の声が集まった。 ■牧原と打本、対照的な2人の掛け合いも見どころ アクションも迫力満点で、ハードボイルドな空気が漂うドラマの中、ほっこりさせられるのが"デジタル"と"アナログ"を象徴するキャラを演じる牧原と打本との会話だ。昭和を生きた刑事・打本が「捜査は足でやるもんだ」と言うと、牧原が「出た~!石器時代の価値観!」と笑うなど、ディスり合いながらも互いを認め合っているのが微笑ましい。 病院で起きた政治家との癒着問題では、打本が真相に迫っていったにもかかわらず、格闘家でもある医師のことを羽生がいとも簡単に倒してしまう。「いいところを持っていく」と打本が僻むと、牧原が「これはウチさん(打本)には無理でしょ」と軽口を叩くシーンも。 そして綾野と高橋によるアクションシーンなど、見どころが書ききれない本作。個性豊かなキャスト陣の中でも確かな存在感を放つ千葉の演技にも注目しながら見てほしい。 文=山本弘子
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