人気モデルがトランプ氏と食事会の安倍昭恵さんに苦言「もう少し日本のこと考えて」…海外論文は「非公式な仲介者が平和構築に重要な役割」
トランプ氏は個人的な信頼関係や感情的なつながりを重視する傾向
トランプ氏が安倍晋三元首相に抱いていた信頼と親近感も重要な要因である。トランプ氏は安倍氏を「シンゾー」と呼ぶほど親しい間柄であり、特別な関係を築いていた。安倍元首相が亡くなった後も、昭恵氏はトランプ氏と連絡を取り合い、その友好関係を維持していた。このような背景から、昭恵氏が石破首相との会談を後押ししたと考えられる。トランプ氏は公式な外交ルートよりも、個人的な信頼関係や感情的なつながりを重視する傾向がある。この特徴を踏まえると、昭恵氏が石破首相とトランプ氏を結ぶ「非公式な架け橋」として機能したことは、理にかなっている。 外交交渉の詳細は公にされることが少ないため、これらの推測を完全に証明することは難しい。しかし、昭恵氏の行動が日本の外交における柔軟な戦略の一環として機能したことは間違いないであろう。彼女の行動がどのように評価されるべきかについては、今後さらに議論が進むのであろう。 昭恵氏のトランプ次期大統領との会談が非公式な外交ルートとして批判を受けた件について、ロジャー・マク・ギンティ氏の著名な外交論文「Pluck, Luck and Peacemaking」を基に彼女の行動を分析してみたい。この論文が示す通り、平和構築や外交において非公式なチャンネルや個人の役割が果たす意義は非常に大きい。
論文によれば「非公式な仲介者が重要な役割を果たす」
まず、昭恵氏の行動は、論文で指摘されている「プライベート・ピース・アントレプレナー」(私的平和仲介者)の概念に一致する。平和構築において、公式なルートが閉ざされている場合や、公式な交渉が停滞している状況では、非公式な仲介者が重要な役割を果たす。例えば、北アイルランドの平和プロセスにおいて、ビジネスマンのブレンダン・ダディ氏がIRAと英国政府の間で秘密交渉を仲介した事例が挙げられている。昭恵氏も、公式な外交ルートでは実現が難しいトランプ氏との対話を通じて、日本と米国の関係強化に貢献した可能性がある。 非公式な外交の価値は、公式なルートでは扱いづらい課題や感情的な壁を取り除く点にある。マク・ギンティ氏の論文は、非公式な交渉が「対立を完全に分断するわけではなく、例外や協力の余地を示す」と述べている。昭恵氏がトランプ夫妻と築いた個人的な信頼関係は、将来的な外交交渉や両国間の対話にとって有益な基盤となる可能性がある。トランプ氏が個人的なつながりを重視するスタイルを持つ以上、昭恵氏のような存在はむしろ戦略的価値を持つと言える。