〈自民総裁選〉勝利のカギは結局”派閥”? 進次郎氏は麻生氏へ支援要請と、なりふり構わず…石破陣営の本音は「決選投票は高市さんと」下位陣営も「ビリは絶対イヤ」と必死のあがき
進次郎氏、高市氏の不安要素をアピールしたい石破陣営
一方の石破、高市両陣営は、派閥へのアプローチはもちろんのこと、立憲民主党の代表選で野田佳彦元首相が選出されたことで「進次郎VS野田の論戦では、進次郎氏のボロがすぐ出てしまう」という党内の不安を自陣営の追い風にしたい考えだ。 「進次郎氏は総裁選期間中、解雇規制見直しに関する発言だけでなく、海外から輸入されるミネラルウォーターの購入をやめて国産水や水道水に変えれば『可処分所得が増加する』という発言もし、『大した金額差じゃない』『個人の好みもあるのに』などと呆れの声が上がりました。 総裁選期間中だけでこうなのですから、野田氏との丁々発止の論戦に耐えられるのかという不安は、党内で日に日に大きくなっています」(自民党関係者) さらに、石破氏陣営は、野田氏の穏健保守的な立ち位置も、自陣営にプラスに働くとみているという。 「仮に総選挙で高市VS野田の戦いになると、右派色の強い高市氏を敬遠する中道の有権者が、野田氏率いる立憲に流れてしまうのでは、という懸念も高まっています。その点で石破氏のほうが幅広く国民の支持を集められるとアピールしたい考えです」(同前)
下位陣営も「9人中ビリは絶対イヤだ」と必死
こうしてそれぞれ追い込みをかけている「3強」。最終盤ともなると、党員・党友投票はすでにほぼ終わっているため、残るは国会議員票の取り合いとなるが、3陣営のいずれも国会議員票の大幅な上積みが難しくなっている。その背景には、こちらも大激戦の「ビリ」争いがあるようだ。 「どの陣営も『ビリ』になりたくなく、必死なのです。これまでの総裁選のような3、4人の中の『ビリ』と、9人の中の『ビリ』ではわけが違います。 たとえば前回の総裁選では、苦戦していた野田聖子氏の陣営に対して『死票になるくらいなら、ウチに入れてくれ』という引きはがし工作が活発化しましたが、今回、下位陣営は『どんぐりの背比べ』状態で、ビリ回避に注力。引きはがし工作も簡単にはいかないのです」(全国紙政治部記者) 前回の総裁選後は、岸田文雄首相は敗れた河野太郎氏を広報本部長、高市早苗氏を政調会長、野田聖子氏をこども担当相に就け、挙党態勢を演出したが、今回は候補者が9人もいるため、人事で「冷や飯」を食う陣営が出るのは必至だ。さらに、下位になればなるほど、今後の総裁選への再出馬にも黄信号が灯る。 そのため、下位陣営にとっては、決選投票に駒を進めるのは難しいにしても、一定の存在感を示して新政権下での人事でポストを獲得し、非主流派にならないようにする必要がある。 現在のところ、読売新聞の調査では最下位から順に加藤勝信氏、河野太郎氏、茂木敏充氏、上川陽子氏となっており、現在の見込み得票は20票台~40票台(いずれも国会議員票と党員・党友票の合計)にとどまる。 少しの差で順位が逆転するため、どの陣営も自陣営の票固めと、投票先を未定としている議員への説得に必死。それゆえ、「3強」にとっても簡単に票をわけてもらえる状況ではないのだ。 誰が首相の座を手にするのか、最後まで誰にも読めない大激戦を制するのは……? 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班
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