「カネのため」と殺害に手を貸した元「大河」出演子役が断れなかった「ヤバすぎる交友関係」《那須・夫婦遺棄事件》
若者たちが「落ちる」理由
「お金を持っているというか、遊んでいるというか、そうした暮らしを羨むことはこれまでもありました。ですが、今はSNSなどを通して、人が持っているものを羨む、というよりは、自分の裕福な暮らしぶりを外部に発信することで承認欲求を満たしているということだと思います。その行き過ぎた承認欲求の結果、犯罪的な方向に向かってしまう」 若山容疑者、共犯の姜容疑者は事件前にもクラブのVIP席で何百万も使っていた様子が報じられている。 「カネをもらえる」と犯行の動機を供述や街頭インタビューでも「この世はカネ」などと話していたように、カネへの執着は強かったとみられる若山容疑者。 「その承認欲求が殺人につながるとは思いませんが、よからぬ人々とつながってしまったことが問題だったのでしょう。 最近の強盗殺人事件でも、問題になっている『闇バイト』のように被害者と直接的な関わり合いがないのに第三者がいきなり犯罪に手を染めてしまう事件が増えています。今回の事件は闇バイトとは少し異なりますが、人間が堕ちるときには共通点があります。周囲とのつながりや守るものがなければ一気に落ちていくんです。止めてくれる友達ではなく、逆に背中を押してしまう友達しかいなかった場合、犯罪へのアクセル踏んでしまう。 今回の事件の加害者たちは交友関係が悪すぎました。悪いことをしても咎めない仲間たちしか回りにいないと、善悪の感覚がずれてしまうことがある」 殺人事件は顔見知りによる怨恨が犯行動機になる場合が圧倒的に多い。顔見知りではない場合、通り魔的な無差別殺人は大々的に報じられるが、今回の事件は極めて特異ものだ。谷川弁護士も困惑している様子を明かす。 「強盗でも偶然、居合わせた住民を殺す、ということはありますが最初から人を殺すことを前提として、しかもそれほど高くない報酬で犯行をおこなうことは異常に感じました。主犯との関わり方の度合いや動機、またカネ目的で積極的に事件に関わっているのであれば、無期懲役、死刑という判決もあり得るでしょう。そのあたりも今後の捜査で明らかになっていくものと思います」 今、若山容疑者は何を思っているのだろうか。俳優としての再ブレイクもカネを稼いで裕福な未来も思い描いていた幸せも二度と手には入らない。 どんなに後悔したところで、自分の未来の前に被害者たちの命も戻ってこない。 ・・・・・ 【さらに読む】大河ドラマ出演が転落人生の始まりか...? 大御所俳優にチヤホヤされた「元天才子役」の末路【那須夫婦遺体事件】
週刊現代(講談社)