「カネのため」と殺害に手を貸した元「大河」出演子役が断れなかった「ヤバすぎる交友関係」《那須・夫婦遺棄事件》
弁護の内容によって左右される
また、弁護の内容も重要だ。 「無罪にしてくれ、といわれたら無理ですが、被告の弁護士は情状を訴えていくでしょう。犯行を持ち掛けた平山容疑者、主犯とされている関根容疑者との関係、とくに関根容疑者とはいつから知り合いだったのか、などです。また例えばですが、関根容疑者らから殺人を依頼されて、断ったら『自分が殺される』というような状況だったとします。そうなると、若山容疑者らは断り切れなかった。そこは情状のひとつとなるんです」 一部報道によると若山容疑者は平山容疑者から殺害を依頼された際、「考えさせてください」と躊躇したが、せかされて引き受ける事にしたという。 捜査が進み、裁判になればそうした状況も加味されたうえでの審議となる。そのうえで無期懲役か有期刑のいずれかの判決が出る。死刑になる可能性は低くなっていく。 短絡的な動機で2人を殺めるといった残虐な行為におよんだ若山容疑者。死刑判決が出そうなものだが、現実的にはなかなか難しい。 「これまで複数の殺人に関わった事案でも被告が死刑になっていない事案も結構あります。死刑判決を出すのは簡単ではない。若山容疑者、姜容疑者は殺人容疑で逮捕、送検されていますが死刑になるかは微妙なところ。ですが、主犯と言われる関根容疑者らは死刑になる可能性は高い」
「芸能界の非常識」にメスが
若山容疑者のようなケースは稀だが、子役や若い俳優、タレントで現役時代はもてはやされていても、あっという間に姿を消していくのが芸能界。 だが、過去の栄光を引きずったまま現実世界で順応できず、事件を起こしたり、社会生活が営めないケースも珍しくはない。 そのため子役や若い俳優、タレントらに対して、現役時代はもちろんだが引退後も見据えたケアが必要なのではないだろうか。 「俳優の子役としての需要と成長後の需要、というのは異なります。その中で子役時代からのケアを考える必要はあると思います。 ただ、それは誰がすべきなのか。親御さんや保護者なのか、プロダクション関係者なのか……難しいところです。ですが、それは子役には限りません。 芸能界というのは非常に特殊な環境で、社会常識とはかけ離れている点も多い。そのため、芸能界を引退したあと、どのように社会の中で生きていくのか、その道筋を考える必要はあると思います」 旧ジャニーズ事務所やダウンタウンの松本人志を巡る一連の騒動を皮切りに、芸能界の『闇の部分』が明るみになり始めている。倫理的に考えるとおかしいことであっても、『芸能界』という枠組みのなかではこれまで黙認されてきた。 「芸能界も変わる時期、変わらないといけない時期なんだと思います。『芸能界の非常識』が表に出始めてきているので、あらためて考えなければいけない。 今回の事件もですが、なんらかのきっかけで容疑者は闇落ちをしてしまった。彼をフォローする周囲の大人、社会的なつながりが切れてしまったのも非常に大きいと考えられます」 なにも若山容疑者だけに限らないという。 「犯罪に走る人の大半はそうです。社会的につながりが切れてしまっている方、 守るものがない方という方がやっぱり重大な犯罪を起こす。あとはおカネです。金銭的に余裕がなくなり、クビが回らなくなり、生活がままならない人が引き込まれていく」 無差別殺傷事件などを起こす「無敵の人」であり、「闇バイト」に加担する若者たちも同様なのだ。