“紅茶に塩とレモン”に英専門家「ナンセンス」と批判…提唱する“正しい紅茶の飲み方”とは?
アメリカの研究者が発表した「紅茶に塩とレモンを入れる」というレシピをめぐり、米英で論争が巻き起こっています。イギリスの紅茶の専門家に、問題となったレシピに対する反応と、提唱する「正しい紅茶の飲み方」を取材しました。
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■米研究者提唱の“紅茶に塩とレモン”めぐり米英で論争
アメリカの研究者ミシェル・フランクル氏が「完璧な紅茶のレシピ」として、「紅茶の苦みを取り除くため、塩とレモンを入れるべき」とする研究結果を発表したことをめぐり、アメリカとイギリスの間で「紅茶の飲み方」をめぐる論争が巻き起こっています。 在英アメリカ大使館は「イギリスの国民的飲み物に塩を加えるという、あり得ないアイデアは、アメリカの公式な方針ではないことをイギリス国民に保証します」とする声明を出した一方、その声明の締めくくりに「アメリカ大使館は、紅茶を電子レンジで温めていれるという正しい方法をこれからも続けていく」と投稿しました。 これに対して、イギリス内閣府はSNSで、「紅茶は、やかんを使わないといれられない」と反論し、在ワシントンのイギリス大使館も、紅茶のいれ方に関する動画を投稿してアメリカ側をけん制。 イギリスメディアは、このやりとりを「新しい紅茶戦争だ」と伝えるなど、ジョークを交えた応酬が続いています。
■「紅茶戦争」に米英の市民の反応は?
「紅茶の飲み方」をめぐる論争について、イギリス・ロンドンで、米英それぞれの市民に話を聞いてみました。 イギリス人からは、意外にも「紅茶に塩を入れたことはないけれど、試してみようかなと思う」と意欲的な反応が。ただ、「電子レンジで紅茶をいれる」方法については「冒とく。恐ろしい」など、否定的な意見が多く聞かれました。 一方、ロンドンに滞在するアメリカ人からは「紅茶に塩なんて入れたら、イギリス人にケンカを売るようなものだよ」と、「紅茶に塩」のレシピについて否定的な意見も。ただ、「電子レンジで紅茶をいれる」ことに関しては、「なぜ、それが大きな問題なのか、わからない。お湯はお湯でしょ。あまり変わらないと思う」と、「紅茶には、やかん」とするイギリス側の意見に反対する声が上がりました。 紅茶に関して論争が巻き起こることについても、アメリカの建国の歴史につながる「ボストン茶会事件」を引き合いに「紅茶をめぐる問題が両国にあることで、紅茶はセンシティブな話題なのだと思う」と分析する人もいました。