黒木華、名曲「夜明けのマイウェイ」をカバー 初めて映画の主題歌を担当
黒木華が、主演作「アイミタガイ」で、名曲「夜明けのマイウェイ」をカバーし、初めて映画の主題歌を担当していることがわかった。あわせて、黒木の歌声をおさめた予告編もお披露目された。 【動画】「アイミタガイ」予告編 本作は、中條てい氏の同名小説(幻冬舎文庫刊)を映画化するもの。かけがえのない存在だった親友を失った主人公・梓(黒木)を中心に思いがけない出会いが連鎖し、大きな輪になっていく群像劇を紡ぐ。市井昌秀監督(「台風家族」)が脚本の骨組みを作り、故佐々部清監督(「ツレがうつになりまして。」)の魂を注いだ企画を受け継いだ草野翔吾監督(「彼女が好きなものは」)が、映画を完成させた。韓国・釜山で10月2日~11日に開催される第29回釜山国際映画祭で、コンペティションのジソク(Jiseok)部門に正式出品された。 「夜明けのマイウェイ」は、1970年代に放映された連続ドラマ「ちょっとマイウェイ」の主題歌として、俳優であり音楽家の荒木一郎が作詞・作曲した、「パル」の楽曲。「アイミタガイ」の脚本の制作段階から主題歌として、製作陣の念頭にあったという思い入れの強い曲だ。前向きなメッセージが込められた歌詞が驚くほどに物語と重なる同曲を、キャスティング前からカバーしたいという意向があった。そして誰が歌うべきかを検討していたとき、黒木が演じる梓を見て、「やはり梓本人が歌うべきではないか」と、黒木がボーカルも担当する運びとなった。 同楽曲は、不慮の事故で親友を失い立ち止まってしまった梓を軸に、さまざまな人々の思いがめぐり、大きな輪になっていく物語にふさわしく、「悲しみをいくつかのりこえてみました」という印象的な歌詞から始まる。「高らかに歌い上げるのではなく、プライベートで語りかけるようなイメージにしたい」という草野監督の希望の下、アレンジが加えられ、柔らく温もり溢れる黒木の歌声が、物語の余韻を包み込んでいる。 これまでCMやバラエティ番組で、透き通るような歌声を披露したことのある黒木は「まさか自分が主題歌を歌わせていただくことになるとは思わず、とても緊張しています。歌唱指導の先生のおかげでなんとか形になりました。温かい気持ちで聞いていただけると嬉しいです」と、コメントを寄せた。 ウェディングプランナーとして働く梓のもとに、ある日突然、親友の叶海(藤間爽子)が命を落としたという知らせが届く。交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、変わらずメッセージを送り続ける梓。同じ頃、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、ある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知が届いていた。 一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で、中学時代の記憶がふとよみがえる。叶海とふたりで聞いたピアノの音色。そして、大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった――。梓は思わず、「叶海がいないと前に進めないよ」とメッセージを送る。 予告編は、梓と、中学時代からいつも傍らで背中を押してくれていた叶海との突然の別れで幕を開ける。梓は、返事がくることはないと分かっていても、叶海にメッセージを送り続ける。やがて「残された人々の想いが繋がり、小さな奇跡が起こる――」という言葉の直後、叶海へ宛てた、読まれるはずのないメッセージに既読がつく。梓の祖母・綾子(風吹ジュン)が、“相身互い”とは「気がついてないだけで、いろんな思いがめぐって、自分のところに届いているんよ」と優しく語りかける通り、一期一会の連鎖が、思いもよらない幸せをもたらすさまが切り取られている。 「アイミタガイ」は、11月1日に東京・TOHOシネマズ日比谷ほかで全国公開。