「そんなの一切教えてない」「教えていただきましたよ!」奥智哉×青木崇高、傑作ミステリー実写化で見せた絶妙“バディ感”の秘訣
ドラマ・Huluオリジナル「十角館の殺人」で共演した奥智哉さんと青木崇高さん。原作は、精密かつ大胆なトリックで世界のミステリーファンに愛され、TIME誌が選ぶ『史上最高のミステリー&スリラー本』のオールタイム・ベスト100に選ばれた、綾辻行人さんによる名著。その中のある一行によって、長らく〝映像化不可能〟と言われた本作が遂にドラマ化されました。本作でバディを組んだお二人らしく、この対談も終始和やかなものとなりました。 【画像】劇中にはない「キメの顔」がかっこよすぎ…奥智哉×青木崇高“年の差バディ”撮り下ろしショット(写真6枚) 奥 智哉 Tomoya Oku 2004年生まれ、神奈川県出身。2020年、蜷川実花が監督を務めた配信ドラマ「Followers」で俳優デビュー。以降、「仮面ライダーリバイス」、ドラマ「みなと商事コインランドリー」シリーズ、NHK「大奥」、「ラストマンー全盲の捜査官ー」などに出演。4月24日より、前田拳太郎とW主演を務めるドラマ「君とゆきて咲く ~新選組青春録~」(テレビ朝日系/毎週深夜0:15~)が放送スタート。 青木崇高 Munetaka Aoki 1980年生まれ、大阪府出身。主な出演作に、連続テレビ小説「ちりとてちん」、大河ドラマ「西郷どん」「鎌倉殿の13人」、映画『るろうに剣心』シリーズ、『ゴジラ-1.0』など。韓国の大ヒット映画シリーズの最新作『犯罪都市 NO WAY OUT』が公開中。映画『ミッシング』が5月17日公開。
――奥さん演じる元・ミステリー研究会メンバーの江南と、青木さん演じる島田は、半年前に亡くなった天才建築家・中村青司の死の謎を解くバディ。真っすぐな江南とニヒルな島田のバディ感が、作品のスパイスになっていますが、どんなことを大事にして関係性を作り上げていきましたか。 奥智哉さん(以下、奥) クランクイン前に、内片監督から江南と島田のやり取りは、テンポ感やテンションを大事にしてほしいと聞いていたので、そこを大事に演じました。 青木崇高さん(以下、青木) 二人のコンビネーションというのは、このドラマにおける見どころでもあって。監督とも話したんですが、シーンごとに目的みたいなものがあると思うんです。ここで一気に関係性がドライブしてバディ感が強まるだとか、逆に、相変わらず島田は何を言ってるのかわからないなとか。そうした目的をクリアしながら、それが視聴者に届くように考えながらシーンを作っていった感覚はありますね。 奥 二人のやり取りを通じて、実は、初めてちゃんとお芝居したという感覚があったんです。というのも、“相手の芝居を受けて、素直に反応する”という、今までなんとなくやってきたことを、内片監督にこういうことだよと、嚙み砕いて言語化していただいたんです。 江南と島田のやり取りを通じて、今までスッキリしなかったことが晴れたなって。おどける島田に対して、江南は同じ強さで返すのもいいけど、もっと強くいってもいいだとか、押し引きするお芝居の楽しさを気づかせてもらえたんです。 青木 僕もそうですけど、現場で演じていて、表情を強く出しているつもりでも、こちらが思っているほどではないことはある。そうした絶妙なバランスというのは、監督でありプロデューサーである内片さんに俯瞰してもらい、この関係性がより面白くなるように、我々は調整をしたという感じですね。すべてはミステリーがベースになっているという構造は逃さずに、しっかり作っていきました。