母を亡くしたシロイルカ、人工保育の1頭すくすく成長 職員24時間見守り 島根県のしまね海洋館アクアス
しまね海洋館アクアス(島根県浜田、江津市)は10日、シロイルカの赤ちゃん2頭のうち、人工保育を続けている雌1頭を報道陣に公開した。生後10日で母を失ったが、体重は順調に増え、遊びに夢中。交代しながらプールサイドで24時間見守り、3時間ごとに代用乳を与え続けるなど、職員の懸命な取り組みが実を結びつつあるという。 【写真】シロイルカの赤ちゃん 雌は繁殖プールの水深を変えられるエリアにおり、体重は母アーリャを失った7月11日の55キロから92キロに、体長は162センチから172センチに成長。当初代用乳を与えようとする職員から逃げていたが、現在は口を開けて待って、じゃれ合うようになった。獣医師の三島有紀・動物管理監は「アーリャの遊び好きを引き継いだ」と目を細める。 9月からは見守り時間や代用乳を与える回数を減らした。しかし、人工保育は国内での成功例が1件しかなく、一般公開のめどはたっていないという。三島動物管理監は「魚を食べられるようになるか、群れになじめるかが課題。焦らずクリアして、早めに見ていただきたい」としている。 アクアスは同時期に生まれた雄1頭を9日から時間限定で一般公開している。
中国新聞社