田中将大「うだうだ言われている」のは結果で見返す 200勝へ決意
愛着が深い杜(もり)の都を離れてまで、新天地に挑戦を求めた右腕の表情はすがすがしかった。プロ野球・楽天から巨人への移籍が決まった田中将大投手は入団記者会見で、目前に迫る日米通算200勝を「通過点」と言い切り、プロ野球選手としてもうひと花咲かせる決意を口にした。 【写真まとめ】入団記者会見をする田中将大 「『残り3勝』をフォーカスされますが、自分としては3勝で終わる気持ちはない」 会見の冒頭、田中投手がまず口にしたのは、目前に迫った大記録への意識だった。 2013年には24勝0敗(1セーブ)という圧巻の数字を残すなど、プロ18年間で積み上げた白星は197。だが、このうち楽天に復帰した21年以降に限ると、4年間で20勝にとどまる。肘の手術明けだった今季は、勝利どころか登板1試合のみで終わり、「これほど何もできなかったシーズンは初めてだった。めちゃめちゃ悔しかった」と振り返る。 野球殿堂入りの目安とされる200勝の大記録に迫りながらも、歩みが進まない。「周囲からうだうだ言われているのは知っている」と本人が語るように、活躍できなければ風当たりが強くなるのは、名投手の宿命でもある。 200勝への思いを聞かれると「いいかげんクリアしたい。そんな自分にもフラストレーションがたまる」。もどかしい気持ちはあるが「自分で(実力を)証明するしかない。まずは先発ローテーションに入っていけるよう、競争に勝ってから。結果で恩返しできるように」と固い決意を口にした。 新天地で迎えるプロ19年目は、日本で11年間プレーした古巣への思いも背負う。 巨人への入団が正式に発表された24日には、楽天が「ユーチューブ」の球団公式チャンネルで、田中投手の名シーンを振り返る動画を投稿し、感謝の意を示した。田中投手も「(楽天への)感謝の気持ちはこれからも変わらない。(楽天)イーグルスの田中将大ではなくなるが、(自分が)プレーする姿をしっかりとイーグルスファンに届けられるように頑張りたい」と語る。 巨人の阿部慎之助監督は「信じてあげるしかできないし、2桁勝って、一緒に日本一になることしか考えていない」と期待を寄せる。周囲の声も自らの中にある「もやもや」も、すべて結果で払拭(ふっしょく)するしかない。【川村咲平】