主人公にモブ、恋愛フラグが全て成就しない…斬新さが光るアニメ『負けヒロインが多すぎる!』
最終話に負けインの横にいるのは…
和彦は主人公でありながらも作品の傍観者という絶妙なポジションを終始担い、負けイン達が恋に破れる姿を見守りつつも、恋人に選ばれなかったことへの悔しさ、自分ではない恋人と一緒に幸せを築くことを素直に願えない自分自身への嫌悪感といった本音を引き出していく。恋愛対象に入ることはなく、“何でも話せるけどいい人止まり”という脇役ポジションを全うしているからこそ、負けイン達は心置きなく本心を吐き出せているように思う。 本人にとっては不名誉かもしれないが、ヒロインを引き立たせ、モブキャラに徹する斬新な主人公象を見せた温水和彦。9月28日深夜から随時放送される最終回となる12話は、「俺はひょっとして、最終話で負けヒロインの横にいるポッと出のモブキャラなのだろうか」という不穏なタイトルのオリジナルエピソードとなっている。最後の最後で和彦が従来のラブコメ作品のような主人公になるのか、はたまたタイトル通りのモブキャラになるのか楽しみにしたい。
望月 悠木