学校の寮に高齢者施設…「ウエルシュ菌」食中毒3件連続発生 県が「注意報」発令 菌が増えやすい夏場は要注意 「温めなおす時は、かき混ぜながら食品の中心部まで火を通して」
長野県内でウエルシュ菌による食中毒が3件続けて発生したことから、県は1日、全県に「ウエルシュ菌食中毒注意報」を発出しました。 県内では先月、長野市内の学校の寮で患者125人、諏訪保健所管内の高齢者施設で患者34人、上田保健所管内の飲食店で患者41人のウエルシュ菌による食中毒が連続で発生しました。 高温多湿になる夏場は食中毒の原因となる細菌が増えやすいこともあり、県は全県に「ウエルシュ菌食中毒注意報」を発令し、予防を呼びかけています。 【ウエルシュ菌による食中毒】(長野県健康福祉部より) ■特徴 ウエルシュ菌は、ヒトや動物の腸管、土壌など自然界に広く住み着いています。この菌は酸素を好まない(嫌気性)菌で、芽胞(がほう)と呼ばれる胞子のような形態をとることがあり、その状態だと熱や乾燥に非常に強い特徴を持っています。食品を大釜などで大量に加熱調理すると、中心部が無酸素状態になり、芽胞の状態で生き残ったウエルシュ菌が適温になると発芽し、活発に発育を始めます。こうしたウエルシュ菌が多数増殖した食品を人が食べることにより、食中毒を発症します。 ■症状 潜伏期間は6~18 時間と比較的短く、その主な症状は水様性の下痢と腹痛です。多くは1~2日で回復し、特別な治療は必要ありません。 ■予防方法 カレー、シチューなどの煮込み料理や野菜の煮物は、調理したらなるべく早く食べるようにしましょう。一度にたくさん作った時は、本菌の発育しやすい45℃前後の温度を長く保たないようにしましょう。 具体的には、小分けしてから急速に冷却(15℃以下)し、冷蔵もしくは冷凍保存しましょう。 また、食品を温め直すときは、かき混ぜながら中心部まで十分に火が通る(75℃以上)ようにしましょう。 「加熱したから大丈夫」といった過信は禁物です。
長野放送