「お菓子」だけじゃない 多様化するオフィスの「置き食品」
■オフィスで野菜
ベンチャー企業「KOMPEITO」(東京)は、オフィスに小型冷蔵庫を置いてパック詰めの野菜を取り出せるOFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)を4月から正式に始めました。現在首都圏で約120社が導入しているといいます。農薬・化学肥料の使用を抑えて栽培した野菜を契約農家から仕入れ、週1回商品を補充。ミニトマトやキュウリなどのほか、4種類の野菜が入ったパック、ブルーベリーやミニマンゴーなどのフルーツも提供しています。価格は1パック100円から300円。農家側も規格外品として廃棄処分にされがちだった小さいサイズの野菜を直接販売できるメリットがあるといいます。 昼食時の弁当のもう一品や残業時に軽く食べるといった用途のほか、朝ご飯代わり、ミーティング時に社員同士でつまみあうという食べ方も少なくないとのこと。同社の川岸亮造社長は「以前から農家と消費者を直結するにはどうしたらよいかを考えていた。夏場は鮮度の問題もあり、今後は週二回の補充を目指したい」と話し、年内に1000カ所の展開を目標にしています。
■自販機コンビニ
一方、ファミリーマートではおにぎりやサンドイッチなどを品ぞろえした「自販機コンビニ」に力を入れています。関東、関西のほか、今年に入り中京圏でも展開を始め、現在、約850か所、約1300台を設置しています。オフィスビルなどのほか、工場やホテルなどにも導入されており、「社員への福利厚生として休憩室などに設置するケースが多い」(同社)といいます。 自販機は2種類で、18度前後の温度管理するタイプと、4度前後で管理しチルド(冷蔵)商品も供給できるタイプがあり、最大60品目を提供できます。お菓子やデザートのほか、最近は実験的に弁当やパスタなども投入。ストッキングといったコンビニ自販機ならではの商品もあるといいます。同社は2015年度までに1500カ所での設置を目指しています。 近年、社員食堂の充実を図る企業が話題になりましたが、今後は省スペースで社員の食欲を満たし、健康増進を図る無人販売を導入する企業も増えそうです。