フジクラ、今秋にも米国で細径高密度光ケーブル一貫生産へ
フジクラは戦略製品として位置付ける細径高密度光ケーブルを、今秋にも米国で一貫生産する。現在同国では日本の製造拠点から輸送した中間製品のファイバリボンを細径高密度光ケーブルに仕上げる下工程を有している。同社の部材を使い情報通信網を構築する顧客が政府の支援策を受けるため、日本から中間製品の製造ラインを一部移設し、米国内で一気通貫した製造体制を構築する。 岡田直樹社長は「順調に進んでおり秋までには中間製品のスパイダー・ウェブ・リボン(SWR)を米国生産する計画」と話している。 同社の細径高密度光ケーブル「SWR・WTC」は部材設計・構造の抜本的見直しなどで大幅に細軽・軽量化した製品。施工が容易なほか一つの管路内に敷設可能な光回線数が多いことなどが特長で、工事費用圧縮などで通信回線増設全体のコストを抑えられる。 米国の高速通信回線の普及拡大のための政府の支援政策を顧客が活用するためには、米国内で光ケーブルを一貫生産することが求められる状況。その対応に向けて佐倉事業所(千葉県佐倉市)から一部中間製品製造ラインの移設を進める。米国ではサウスカロライナの拠点で細径高密度光ケーブルの下工程を有しているが、その既存工場に中間製品の移設ラインを収納する予定。海外での細径高密度光ケーブルの一貫生産は同社として初となる。 また、フジクラでは米国市場での細径高密度光ケーブルのシェア拡大に向けて生産体制の強化に加え、米国企業との戦略的提携も検討しているという。