歴史的円安 既に値上げしている牛タン店、1杯150円維持するコーヒー店は…
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円相場が約37年6か月ぶりの円安水準まで下落しています。海外から食品などを輸入している飲食店からは、今後の影響を心配する声が相次ぎました。 ◇ 長引く円安の影響が出ていたのは、神奈川・川崎市にある牛タン一筋のお店です。ほどよい脂がのった分厚いお肉が売りです。創業から約40年間使っている牛タンは、ずっとアメリカ産にこだわってきました。 牛たん 杉作 杉山務代表 「肉質のねっとり感が違いますね。持ったときの」 ただ、この店は去年の春から今年1月にかけて、合計3回、販売価格を上げました。1500円で食べられていた牛タン定食は、いま、2200円になっています。
杉作 杉山務代表 「これだけ円安と仕入れ価格が上がれば、客単価も少し上げざるを得ないかなと」 大きな要因となったのは“円安”です。またこれ以上進むと、さらに価格を上げることも考えているといいます。 杉作 杉山務代表 「値上げするたびにお客さんが少しずつ減っている。やっぱり申し訳ないなという思いしかない。やはり…円安は厳しいですね」
26日、1986年12月以来、約37年6か月ぶりの“歴史的な円安”となった円相場。27日も一時、160円台後半まで下落しました。 ◇ そんな影響を最もリアルに感じるのが、これから海外旅行に行く人たちです。羽田空港の外貨両替所では… 「6万円ですと365ドルのご用意となります」 ハワイへ行く人(50代) 「すごく少なく感じる。じゃあ…だめですね、10(万)にしておいてください」 ハワイへ向かう女性は、両替の予算を大幅に変更していました。それでも… ハワイへ行く人(50代) 「10万円を…608ドル。なんかすごく損した気分ですよね。足りるの?私」 これからニューヨークに向かうという2人は、半年前にホテルを予約。 ニューヨークへ行く人(20代) 「(ホテルを)現地決済にしちゃった。当日レートなので、ちょっとずつ上がっていく。予約したときより全然高い」 「ボーナスをぶち込みます」 「使い切ります」 ◇ 不安の中で、円安と闘い続けている店もあります。世界各国から豆を輸入している東京・江東区のコーヒー店「ロースター」は、円安の影響もあり、仕入価格は約1年前から35%ほど上がっているといいます。しかし… 記者 「コーヒー1杯150円ですね、安いですね」 “1日に何杯でも飲めるコーヒー”を目指し、値上げをしていないというのです。 ロースターを運営・ノンピ広報 坂本いずみさん 「砂糖やミルクなどを有料化して、なるべくオペレーションを削減して、お客様にもご理解いただきながらコストを抑えている状況」 ただ、それも限界に近づきつつあります。
ロースターを運営・ノンピ広報 坂本いずみさん 「今後(円相場が)165円だったりって上がると、食い止めたいところではあるんですけど、値上げも考えなくてはいけない」 ◇ 止まらない円安に続く葛藤。ある市場関係者は「アメリカの金利が下がる兆しが出てこないと、いまの水準の円安が1~2か月は続くかもしれない」と話しています。