モルガンSのウィルソン氏、米ディフェンシブ株の利益確定売りを推奨
(ブルームバーグ): モルガン・スタンレーのストラテジストは米ディフェンシブ株について、最近のアウトパフォームにより割高感が出てきたため、利益を確定すべきだとの見解を示した。
マイケル・ウィルソン氏率いるチームは景気敏感株との比較でディフェンシブ株の投資判断を「中立」に変更。年末に向けて株価の重要な原動力となるとみられる雇用関連のデータが「一段とはっきり」するのを待っている状態だと述べた。
ストラテジストはリポートで、「次の雇用統計の結果が分からない以上、ディフェンシブ銘柄の最近のアウトパフォームを利用して利益を確定することは、理にかなっている」と記述した。
過去数カ月は米国のリセッション(景気後退)が懸念される中、ヘルスケアや公益事業など景気下降の影響を比較的受けにくいとされる銘柄に買いが集まった。シティグループのディフェンシブ株バスケットは6月末以降、約11%上昇し、シクリカル株指数の8.5%上昇をアウトパフォームしている。
しかし、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)による4年ぶりの利下げは、成長懸念を和らげるのに寄与している。S&P500種株価指数は利下げ決定後に史上最高値を更新し、市場では年内の追加緩和が予想されている。
モルガン・スタンレーのチームはディフェンシブ株について、通常は最初の利下げの翌月に「小幅な」アンダーパフォームになる傾向があるとしたが、3カ月から12カ月の期間では「かなり持続的なアウトパフォーム」を示すと指摘した。
ウィルソン氏は2024年半ばまで株に対して弱気な見方を示していた。23日のリポートでは、業績見通しが明るい大型株を選好する姿勢を改めて強調した。
シティグループやバークレイズなどの他の市場ストラテジストも、特に欧州の景気循環株の見通しについて楽観的な見方を強めている。自動車メーカーや小売業など、マクロ経済要因の影響を受けやすいセクターは、欧州のベンチマーク指数の大きな部分を占めている。