「120%本人だ、信用してくれ!」...”不動産のプロ”が「地主」に会わせてもらえず不安を抱えながらも「不審な土地取引」を続けてしまったワケ
嘘の連続
「今から振り返ればバカみたいに思われるかもしれません。吉永から山口を紹介されたのが、売買契約当日の9月3日でした。場所は諸永事務所です。このとき初めて山口と会った。山口本人は日体大の空手部出身で俳優業をやっていたとか。セーラームーンのドラマなんかに出ていたと自慢したのを覚えています」 地道がこう悔しがる。なんでも台湾華僑の呉には息子がおり、その借金返済のために土地を売りたいという話だったそうだ。 「山口の話では、日本で財を成した呉さんの息子が、人形町あたりで貿易会社やパチンコ屋を経営していたらしい。あとから警察に聞くとそれも嘘でしたけど、その息子が覚醒剤の密輸をして警察にパクられ、呉さんにずいぶん迷惑をかけたという。 さらに呉さんには台湾で医者をやっている娘さんがいて、奥さんと一緒に暮らしているとも言っていました。それもどこまで本当だったか。山口は、きょうだいの相続争いになるのが嫌なので、自分が財産処理を任されたと話していましたが……」 『「手短に本人確認を」「機嫌が悪いのでよろしく」...“地面師グループ”が用意したツッコミどころの多すぎる《地主のなりすまし役》』へ続く
森 功(ジャーナリスト)
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