辺野古移設抗議「日当」描写巡り、「島耕作」電子版修正 市民団体は「フェイクだ」と批判
講談社の漫画誌「モーニング」の10月17日発売号に掲載された「社外取締役 島耕作」に、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の抗議活動をしている人が「日当」で雇われているかのような描写があった問題で、同誌編集部は17日までに、電子版を修正したうえで順次配信を再開したと公式サイトで明らかにした。 【写真】土砂の搬出港近くで行われている「牛歩」による抗議活動=今年1月 作者の弘兼憲史さんは編集部と連名で「改めて沖縄の方々をはじめ、ご心痛を与えた皆さまにおわび申し上げる」と謝罪した。 漫画では、地元住民とみられる登場人物の女性が「抗議する側もアルバイトでやっている人がたくさんいますよ 私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」と語る描写があった。 玉城デニー知事を支持する「オール沖縄会議」の幹部は、産経新聞の取材に対し「労働組合の専従職員が交通費の実費は受け取り、辺野古に応援に行くことはあるだろうが、日当を受けている人はいない。なぜ根も葉もない話が出てきたのか」と疑問視。同会議の主要構成団体である沖縄平和運動センターの関係者は「われわれから言えば、フェイクだ。漫画誌は回収できても、ネットでは拡散してしまっている」などと批判していた。 編集部によると、執筆にあたって作者の弘兼さんと担当編集者が沖縄へ赴いて取材し、「『新基地』建設反対派のアルバイトがある」という話を複数の県民から聞いたという。しかし、「あくまで当事者からは確認の取れていない伝聞だった」として、10月21日に公式サイトで謝罪。「フィクション作品とはいえ軽率な判断だったと言わざるを得ない」としていた。