【2024年版】建設業界とは?業種・職種から現状と課題、将来性まで解説【志望動機の例文あり】
建設業界の代表的な業種7つ
ここでは、建設業界において代表的な7つの業種のビジネスを解説します。 ■ゼネコン ゼネコンとは「ゼネラルコントラクター(general contractor)」の略称で、総合建設業者のことを指します。施主から工事一式を請け負い、マンション、オフィスビル、商業施設、テーマパーク、競技場などの大型建築案件を手がけ、設計・施工・研究をすべて自社で行います。また、スーパーゼネコンと呼ぶ場合は、一般的には「単独企業で売り上げ1兆円を超えていること」が指標とされています。企業によって、「土木に強い」「建築設計に強い」「どちらにも強みを持つ」などの違いもあります。 ■サブコン サブコンは「サブコントラクター(subcontractor)」の略称です。施主から工事一式を請け負うゼネコンに対し、サブコンは一部の専門的分野を請け負います。建設・建築や設備関連など、企業ごとに専門とする領域は異なります。例えば、電気や空調をはじめとする各種設備の工事や、軟弱な地盤にくいを打ち込むくい工事、工事に必要な足場を組むとび工事などの領域が挙げられます。 ■マリコン マリコンは、「マリンコントラクター(和製英語)」の略称です。港湾・護岸工事、海底トンネル工事などの海洋土木に特化した建設会社のことを指します。海や河川などの水中で行う工事には、専門的な知識・技術が必要です。また、作業を行うためには、起重機船、深層混合処理船などの大型専門船を保有していることが必須となります。陸上における土木を専門とするゼネコンが市場に参入することは難しいため、マリコンは競争相手が少ない特殊な領域と言えるでしょう。 ■デベロッパー デベロッパーは、大型の宅地開発や新築マンション、都市開発、リゾート開発などを手がける不動産会社を指します。デベロッパーが土地を取得して開発計画を立て、建築物の設計を行い、予算を見積もった上でゼネコンに建築・建設工事を依頼するケースが一般的です。一部には、ゼネコンが建物のデザインや設計まで担当することもあります。一方、行政が主導する都市の再開発などの場合は、プロジェクトの事業責任者として委託を受け、設計や開発事業の管理を行います。 ■ハウスメーカー ハウスメーカーは、住宅部門に特化した事業を手がける企業で、住宅メーカーを指します。自社開発の住宅ブランドを持ち、全国規模で営業を展開するなど、全国各地に営業拠点がある企業が多いでしょう。建売住宅を大量生産することが主な事業であるため、住宅に使う床材や壁材などを自社開発したり、規格化して工場生産したりしています。戸建て住宅に加え、アパートなどの賃貸住宅を扱っているハウスメーカーもあります。 ■工務店 工務店は、一般的には地域密着型で住宅などを建築する建築会社のことを指します。施主の希望や要望に柔軟に対応し、一から設計図を作るなど、規格化されていない住宅を扱うことが多いでしょう。また、新築工事のみならず、増築・改築などのリフォームまで手がける企業もあります。 ■設計事務所 設計事務所では、住宅の間取りなどの設計から、建築の施工管理なども行います。施主の希望に応えるーオーダーメードの住宅提案を強みとしています。 設計事務所は、大きくは2つに分類されます。「アトリエ系設計事務所」は、個人の建築家が主宰することが多く、作家性を強く反映した意匠設計を強みとする設計事務所の通称とされています。 一方、「組織系建築設計事務所」は、設計を専業とする規模の大きな建築設計事務所に対する通称とされており、意匠設計だけでなく、建築構造・建築設備・エンジニアリングシステムなどの計画・設計も手がけます。どちらにおいても、現場工事の監理を行うケースもあります。 ■国家・地方公務員にも建設業界で活躍する職種がある 国土交通省などの官公庁や、地方自治体などで「建築職」として働く公務員は、道路や橋・河川などの土木建築、都市開発、公共施設の建設など、公共事業における建設工事を取りまとめています。建築物の建築・維持管理、建築関連の法令管理、まちづくりの計画などに携わり、ゼネコンやデベロッパーと連携して公共事業を進めています。