マンガを活用したまちづくり加速へ 札幌市が民間と法人設立の方針
「機動戦士ガンダム」安彦良和さん(遠軽町出身)、「銀の匙 Silver Spoon」荒川弘さん(幕別町出身)、「ゴールデンカムイ」野田サトルさん(北広島市出身)、「青空エール」河原和音さん(滝川市出身)……。 【画像】漫画の神様に猛アタック、大和和紀さんと山岸凉子さんが語る札幌時代 北海道ゆかりのマンガ家は350人を超えるといわれるなか、札幌市がマンガを核とするポップカルチャーを活用したまちづくりを官民連携で進め、民間企業と一般社団法人を立ち上げる方針を決めた。9日、市議会総務委員会で報告した。 まちづくり政策局によると、来年度にも「札幌マンガ・図書等活用まちづくり機構(仮称)」を立ち上げる。事業として、テーマに沿った作品を展示する「マンガライブラリー」の実証実験や、創作活動を想起させる企画展、人材育成のためのワークショップなどを展開するという。 最初の5年間は「トライアル期間」と位置づけ、札幌市が事業費の一部を負担する。事業収入を確保することで年々、負担割合を下げ、6年目以降は「公費ゼロ」とする計画だ。 ポップカルチャーを活用したまちづくり構想は、2021年11月に少女漫画界の巨匠、大和和紀さんと山岸凉子さんから「北海道マンガミュージアム構想」を提案されたことを機に検討が始まった。2人の作品をテーマにした今年3月の企画展「『あさきゆめみし』×『日出処の天子』展」の経済波及効果は約2億4千万円。文化振興や教育、観光など幅広い分野への効果が期待されている。30人を超えるマンガ家からミュージアム構想への賛同があることも、ポップカルチャーのなかで「マンガ」を核とする後押しとなった。 ただ、市は現時点で「常設型展示」について具体的な検討はしていない。(原知恵子)
朝日新聞社