「カマダより戦術が何よりも優先された」“プレミア移籍ほぼ確定”鎌田大地の不遇をイタリア人記者が惜しむ「誰もが評価した、彼の姿勢は」
「10人のダイチをピッチに立たせたいくらいだ」
一方、鎌田は自身の復活を促したトゥードル監督について、こう語っている。 「監督とは何度も話し合いました。彼は僕のことを気にかけてくれたし、成長させてくれた。こんな指揮官となら、また一緒にやりたいです」 鎌田にとって初のセリエAのシーズンを評価するなら、10点満点中、5か6になるだろう。筆者が勤務する『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙による鎌田の試合採点の平均値も5.93だった。イタリアでは6点が好パフォーマンスの基準なので、やや物足りなかったと言えるだろう。ただしラツィオで鎌田より高い平均点を記録したのは、GKイバン・プロベデル、DFマリオ・ジラ、MFマッティア・ザッカーニ、MFマティアス・ベシーノ、MFゲンドゥージ、MFニコロ・ロベッラ、MFルイス・アルベルトの7人だけだ。 おそらく2023-24シーズンの鎌田をもっとも高く評価したのは、トゥードル監督だろう。彼はこんな言葉を残している。 「私はカマダが大好きだ。ナンバー10のメンタリティーを持ちながら、攻撃だけでなく、守備でもチームに大いに貢献してくれる。きっと彼の頭の中には、精密なコンピューターが搭載されているのだろう。すべてのフットボーラーが、そうだったらいいのだが。可能ならば、10人のダイチをピッチに立たせたいくらいだよ」
サッリを含め、誰もが彼の真剣な取り組みと…
来シーズンは、もっと充実した鎌田の姿がプレミアリーグで見られるだろう。 昨シーズン終盤にクリスタルパレスの指揮官に就任し、劇的にチームを改善したオリバー・グラスナー監督は、アイントラハト・フランクフルトで鎌田と2シーズンを共にし、2022年にはヨーロッパリーグを制している。 現在49歳のオーストリア人監督は研究熱心で、まっとうな性格の持ち主でもあり、それは日本人にも通じるものだろう。間違いなく、グラスナー監督は鎌田に自信を取り戻させ、彼が求めることについても、多くの説明を必要としないはずだ。 ドイツで名を上げた鎌田にとって、イタリアでの1シーズンは、あるいは小休止となってしまったかもしれない。だがそれでも周囲の誰もが──サッリを含めて──彼の真剣な取り組みとプロフェッショナルな姿勢を評価したのも事実だ。 次はイタリアではなく、英国の首都ロンドンで新たな挑戦を始める鎌田にエールを送りたい。<つづく>
(「サッカー日本代表PRESS」ルカ・ビアンキン/ガゼッタ・デッロ・スポルト = 文)
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