定年後も嘱託社員として働いてきましたが、67歳で契約解除に…この歳でも「失業保険」はもらえますか?
通常、失業した場合は一定の条件を満たせば、失業保険を受け取れます。しかし、60代以降で失業してしまった場合、年齢に関係なく失業保険をもらえるか気になっている方も多いでしょう。本記事では、失業保険の内容や60代以上で失業した場合に受け取れる給付金について解説します。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
定年後でも失業保険は受け取れる?
失業保険が受け取れる条件は以下のように定められています。 ・就職する意思があり、積極的に求職活動をしているが、失業状態にあること ・離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上あること しかし、上記の条件を満たしていても、失業給付を受けられる年齢が65歳未満とされているため、65歳以上の方は失業給付を受け取ることはできません。
高年齢求職者給付金が受け取れる可能性がある
65歳以上の方は、雇用保険の失業給付をもらえませんが、高年齢求職者給付金を受け取れる可能性があります。高年齢求職者給付金とは、65歳以上の方が受け取れる失業保険のようなもので、以下の条件を満たしている場合が対象です。 ・就職する意思があり、積極的に求職活動をしているが、失業状態にあること ・離職日以前の1年間で、雇用保険の被保険者期間が通算6ヶ月以上あること 家事に専念する方や自営業の方、パート・アルバイトをしている方などは高年齢求職者給付金の支給対象外となります。失業保険の場合も同様ですが、就職する意思や能力があることが前提となっている点に注意しましょう。
高年齢求職者給付金の申請方法
高年齢求職者給付金の受給を申し込む際は、以下5点が必要となります。 ・離職票1と2 ・マイナンバーカード(マイナンバーがない場合は個人番号が確認できるもの) ・身分証明書 ・顔写真1枚 ・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード これらの必要な書類をそろえて管轄のハローワークに行き、申込書と一緒に提出します。 1つでも不備があると申請できない可能性があるため、申請する前に確認しましょう。
高年齢求職者給付金の給付額
高年齢求職者給付金の給付額は、退職前の被保険者だった期間によって以下のように変わります。 ・被保険者期間が1年未満:30日分 ・被保険者期間が1年以上:50日分 1日あたりの給付額は、原則離職する前の直近6ヶ月間の月給を180で割って算出された金額の50%~80%程度の額(上限あり)となります。例えば、被保険者期間が1年未満の方で、離職時の直近6ヶ月の月給が30万円、給付率が50%のケースで計算してみましょう。 1日の給付額の前提となる金額:30万円×6ヶ月÷180=1万円 1日の給付額:1万円×50%=5000円 給付金の合計:5000円×30日=15万円 以上のケースでは、1日にもらえる給付額は5000円となり、合計で15万円を受け取れます。なお、申請してから実際に給付を受けられるまでは7日間の待機期間があり、自己都合での退職の場合は、7日間の待機期間+2ヶ月(または3ヶ月)の給付制限もあります。 退職理由によってはすぐに給付を受けられないため、注意が必要です。さらに、給付対象期間は、離職日の翌日から1年間と定められているため、申し込みの手続きが遅れた場合は、もらえる日数が減ってしまう可能性もあります。高年齢求職者給付金を申請する場合は、離職してからなるべく早く申請を行うようにしましょう。
65歳以上は高年齢求職者給付金が受け取れる
65歳以上の方が失業した場合は、高年齢求職者給付金を受給できます。申請するときは、失業保険の場合と同様に一定の条件を満たし、必要な書類を提出する必要があります。給付期間は、原則離職日の翌日から1年間とされています。高年齢求職者給付金を申請する場合は、離職してからなるべく早く手続きを行いましょう。 出典 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について 厚生労働省 離職されたみなさまへ 厚生労働省 離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内> 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部