キャサリン皇太子妃が牽引?「乗馬ファッション」が流行っている理由とは
乗馬ファッションは、もはや乗馬クラブだけのものではない。今では街中でも着られ、TikTokでその魅力が称賛されている。このスタイリッシュなファッション現象を分析しよう。 【写真】ランウェイでも見受けられた、セレブたちの「乗馬ファッション」とは? バッキンガム宮殿では、"乗馬ファッション"が長く流行している。2018年10月2日、イギリスのユーハーストを訪れた際のキャサリン皇太子妃が思い出される。キャサリン皇太子妃は馬に乗らない。実は皇太子妃は動物アレルギーなのだ。それでも、その日は「厩舎から出てきたような」ルックで登場した。レザーの乗馬ブーツ、ブラウンのレギンス、カーキ色のジャケットを身に着けていた。『Sociologie de la mode(原題)』(2010年)の著者である社会学者のフレデリック・ゴダールは、「一般的に、服は価格だけでなくそのスタイルによっても社会的なマーカーとなります。ハイキングや乗馬などのアウトドアスポーツを連想させる服は現在人気です。これはスポーツウェアがスタイルの基準として確立し、現代のステータスの表現となっているという潮流の表れです」と説明する。 キャサリン皇太子妃と同様に、多くの人々が日常生活でこのスタイルを取り入れている。27歳のマリンは、昨年冬に購入したジョナックの乗馬ブーツを手放せない。銀行のアドバイザーとして働く彼女はこれらを「最もシックな靴」と称し、どんなルックにも簡単に合わせられると語る。「私が最も好きなのは、短いドレスと合わせても脚がきちんと見えることです。だから都会やオフィス向きに最適です。古典的でありながらも洗練されています。」同様に、35歳のアンヌも、エルメスの乗馬ブーツに常に憧れており、高校時代にはそう感じ始めていた。「乗馬自体は好きではないけれど、思春期からファッションに興味を持ち始めた時から、乗馬ブーツの美しさに惹かれています。私を魅了するのは、その靴のエレガンスさです。」 最近では、乗馬に関連付いた衣類やアクセサリーが乗馬場に限らずに広く受け入れられている。しかし、洗練と乗馬の関連性は古くから存在する。パリ装飾芸術美術館で2023年9月20日から2024年4月7日まで開催された展覧会「Mode et sport, d'un podium à l'autre(ファッションとスポーツ、ひとつのランウェイからもうひとつのランウェイへ)」のキュレーターであるソフィー・ルマイユーは次のように説明している。「19世紀には、乗馬を生活必需ではなく娯楽として楽しむことは、上流階級の一員であることを意味していました。」専門家は、何世紀にもわたり乗馬が進化してきたことを指摘し、そのスタイルも同様に変化してきたと語る。「最初はエレガントな衣服でした。時間の経過とともに、それらはスポーツしやすいように進化し、さらに後には快適さのために日常生活にも取り入れられるようになりました。」