150年かけて巨大な一枚岩を彫って作った大寺院!600年以上かかった大聖堂!築くのに時間がかかった世界遺産【世界遺産/エローラ石窟群(インド)】
今年の春、スペインの世界遺産「サグラダ・ファミリア」が2026年に完成すると発表されました(正確には、高さ172メートルを超える中央の「イエスの塔」が完成。その後、下部のファサードの工事等が2034年に終わる予定)。 【写真を見る】150年かけて巨大な一枚岩を彫って作った大寺院!600年以上かかった大聖堂!築くのに時間がかかった世界遺産【世界遺産/エローラ石窟群(インド)】 着工したのが1882年なので、144年がかりということになります。設計したアントニ・ガウディは1926年に死去しましたが、その時点で完成していたのは地下聖堂と生誕のファサード等だけで、実は世界遺産に登録されているのはこれら生前に作られた部分です。 サグラダ・ファミリアの建設にこんなにも時間がかかっている理由は、1930年代のスペイン内戦でガウディの残した設計図や模型などがほとんど失われてしまったことと、資金難によるものでした。かつては「完成まで300年かかるのでは」と言われていたので、それに比べると144年というのは(長いことは長いのですが)かなりのスピードアップ・・・ITなど最新技術の導入と拝観料の増収などによるものと言われています。 サグラダ・ファミリアよりも時間をかけて作られた世界遺産が、インドの「エローラ石窟群」。1000年以上前にデカン高原の断崖を掘って作られた石窟寺院群で、南北2キロに34の寺院が点在しています。 その中のひとつ、カイラーサナータ寺院はなんと150年かけて築かれました。断崖は固い玄武岩で出来ていて、それを人の手でコツコツと削って、高さ30メートル・奥行き80メートルもある大寺院を作り上げたのです。巨大な一枚岩から彫りだした、いわば世界最大級の彫刻。しかも単純な壁や柱だけではなく、神々の姿やゾウなどの聖なる動物たちの姿が精緻に刻まれていて、気が遠くなるような時間と手間がかかっているのです。作業した石工たちは、7世代にわたって岩を彫り続けたといいます。 このカイラーサナータ寺院はヒンドゥー教の寺院で、最高神のシヴァ神が祀られています。中心部にはリンガと呼ばれる男性器を表した円筒形の大きな石があり、これがシヴァ神の象徴とされています。