子が大学を卒業したら別れよう…将来的な離婚を検討中、覚悟すべき「法的なデメリット」【弁護士の助言】
自分自身の経済力
現在働いており収入のある方であれば、慰謝料や財産分与などを頼らなくても生活できるので、お金のことで思い悩む必要はありません。反対に、専業主婦の方やほとんど働いていなかった方の場合などには、離婚時の給付に頼らざるを得ないので、相手からどのくらいの給付を受けられるかが非常に重要な問題となってきます。
実家からの援助
ご実家が裕福な方であれば、自分自身に経済力がなくても実家から援助を受けられたり、実家に戻って生活したりできるので、離婚後の生活方法についてそれほど思い悩む必要がないケースもあります。
離婚することによる損失
離婚はいいことばかりではなく、精神的な喪失感はもちろんのこと、経済的にも損失があります。以下で離婚によってどういった損失があるのか紹介します。 年金が減る 離婚すると、将来受け取れる年金が減ることを覚悟しておくべきです。もしも婚姻を継続していたら、配偶者が受けとる年金を生活費に充てられます。 一方、離婚すると、基本的に自分の年金だけしかもらえません。働いていた方なら厚生年金がありますが、主婦だった方の場合には国民年金のみです。そこに年金分割で数万円足してもらっても、婚姻を継続していた場合にもらえる満額の厚生年金には届かない金額になります。年金分割すると、夫婦で年金をわけ合う形になるので、どうしても一人あたりの取り分が減ってしまうのです。 遺産相続できなくなる 離婚したら「遺産相続権」がなくなることにも注意が必要です。離婚したら財産分与を受けられますが、それはあくまで「婚姻中に形成した財産」です。 一方、当然ながら自分のほうが先に死亡する可能性もありますが、配偶者が亡くなるまで添い遂げた場合には、その遺産の半分を相続財産として受け取ることができます。
離婚後を見据えた準備の重要性
以上のように、「子どもが大学を卒業したから離婚」するか検討する際には、経済的な側面からさまざまなことを考えて離婚後に後悔しないよう準備する必要があります。具体的なアドバイスが必要な際には、弁護士に相談することをお勧めします。 白谷 英恵 Authense法律事務所
白谷 英恵