鹿児島県警・相次ぐ警察官逮捕に県民から厳しい声 専門家は 鹿児島県
鹿児島テレビ
3日起訴された鳥越被告をはじめ、鹿児島県警では4月以降、現職警察官をはじめとした警察関係者の逮捕が相次いでいます。こちらをご覧ください。 4月と5月、わずか2カ月の間に4人の警察関係者が逮捕されています。 まず4月は捜査資料を漏えいした地方公務員法違反の疑いと知人女性への不同意わいせつの疑いで2人の現職警察官が逮捕されました。 さらに5月は盗撮などの疑いで現職警察官が、そして情報漏えいの疑いで県警の中枢を担う生活安全部長を2024年3月まで務めていた元警察官が逮捕されました。 相次ぐ警察関係者の不祥事に街の人たちからは厳しい声が寄せられるとともに、専門家は時代に応じた組織運営の重要性を指摘しています。 鹿児島県警 西畑知明警務部長 「前生活安全部長が逮捕されたことは極めて遺憾であり、関係者はもとより県民の皆様に改めて深くお詫び申し上げます」 5月31日、県警本部は4月から数えて4回目となる警察関係者の逮捕を発表しました。 国家公務員法違反の疑いで逮捕されたのは、2024年3月まで生活安全部長を務めていた本田尚志容疑者でした。 在任中に手に入れた警察情報が書かれた資料を、退職後、第三者に郵送して情報を漏らした疑いがもたれています。 県民の安心安全を守る立場にあるはずの警察関係者が相次いで逮捕される異常事態。県民は一様に厳しい声をあげます。 97歳男性 「警察官がこういうことをするとどうにもできない。住民のため、市民のためにいいことをしてもらわないと」 15歳男性 「不同意わいせつとか、まず人間としてだめだし、それを守るのが警察官。市民を守る側の警察が逆に市民を傷つけるのはよくない」 県警はこの異常事態の原因をどのように捉えているのでしょうか。 野川明輝本部長は本田容疑者の逮捕前日の5月30日、県議会で次のように答弁しています。 鹿児島県警 野川明輝本部長 「コロナ禍などにおける社会情勢の変化を受けて、職員間のコミュニケーションがおろそかになっていることをやむなしとして、人間関係が希薄になったことなどにより、これまで講じてきた対策が浸透しきれず、また被疑事案の兆しを組織として把握できていなかったことが問題であると考えている」 新型コロナを要因の一つとしてあげた野川本部長。しかし質問をした県議は納得できない様子をみせました。 自民党 角野毅 鹿児島県議 「ただいまの県警本部長の答弁で納得できた県民は本当に少ないと考えます」 では専門家は今回の事態をどのように捉えているのでしょうか。警察行政法が専門で警察大学校の校長や福岡県警本部長などを歴任した京都産業大学の田村正博教授は、次のように話します。 京都産業大学 田村正博教授 「たいへん珍しいことですし、県警として重大に受け止めなければいけない」 「(前生活安全部長が逮捕されたことを受けて)県警察のリーダー層の方たちが充分な認識をもっていないという風になったわけだから、県警全体で取り組まないといけないことがより一層重くなったと思います」 田村教授はさらに、情報漏えい事案については警察業務特有の状況が影響した可能性に言及。その上で、時代に合わせた組織の運営が必要なタイミングにあると指摘しました。 田村教授 「機微に属するような情報を、そもそも保有していること自体が特別なんだと。日頃扱っていると(それに)慣れてしまう。そういう情報を扱うことが。だからこそ起きてしまう事案のような気がした」 「時代に応じて求められていることのまさに典型だと思う。性暴力や情報漏洩を防ぐことは。その2つの面において県警がこれまでと違うレベルのものになければいけない。それを目指すという、前向きなイメージをもって組織運営にあたってほしい。それが県民の方々の信頼を回復することにもなる」 県民からの信頼を回復するため、県警には一刻も早い組織改革が求められます。 一つの組織からわずか2カ月の間に4人の逮捕者、しかもそれが県民の安心・安全を守る立場の県警から出ているというのは到底理解しがたいと思います。 信頼回復をどう果たすのか厳しい視線が注がれています。
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