【エリザベス女王杯】レガレイラ、スタート決めて今度こそ 課題の出脚改善へ新たな取り組み
<追い切りの番人> エリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、10日=京都)の最終追い切りが6日、東西トレセンで行われた。出走馬の調教過程を深堀りする「追い切りの番人」では、東京の舟元祐二記者がレガレイラ(牝3、木村)を取り上げる。昨年のホープフルSを制し、春は牡馬クラシックに挑戦した逸材。前走牝馬同士のローズSでは最後方から猛然と追い込み5着。ゲート後の出脚の遅さを改善する取り組みを行い、満を持して牝馬最強を決める一戦に挑む。 ◇ ◇ ◇ ゲートを出て数秒。最後方に置かれたのがローズSでのレガレイラだった。4つのコーナーを回る時までその位置は変わらず。そして、最後の直線で外から33秒1の末脚を繰り出して5着まで一気に追い上げた。タイム差は0秒4差。序盤のロスがなければと思うファンも多かったはずだ。 陣営も当然、課題解決に取り組んでいる。出脚がつくように普段の調教から状況づくりを開始。短期放牧から帰って来ての2週前追い切りでは、太田助手は「5ハロンでいきなり(スピードが)ゼロの状態からぐっといくようなシチュエーションでやりました」と語るように、3頭併せの外を先行。いつもは自身が追走する立場、または前後に馬を置いている。1週前の2頭併せでは、ホームストレッチから入り長めに追われている。ある程度の速度を維持しながら周回し最後にもうひと伸びという内容だった。同助手は「こういう調整が実になってくれれば」と期待を込めている。 そしていつもの末脚はさすがのひと言。最終追い切りはウンブライル(古馬オープン)との併せ馬。僚馬を1馬身追走から馬なりで併入。時計は6ハロン82秒2、ラスト1ハロンはこの日の美浦ウッドで最速タイの11秒0だった。しまいの数字が示すように、直線に入った時にはまだ前に追いついていない状態で、半ばから急加速した。同助手は「馬の準備ができている雰囲気でしたので、3頭の間で挟む必要はないという判断。2頭併せの後ろでやりました。動きも良かった」と好感触を伝えた。「前走は最後に脚をしっかり使えていたが、前半の位置のロスを取り返せないまま、終わってしまった」とローズSを回顧する。今回の調整が功を奏し、少しでも前につけられれば、前走のように悔しい結果には終わらないはず。2歳時には牡馬相手にG1を制した逸材。古馬も含め牝馬最強を決める一戦でさらに成長した姿を見せつける。【舟元祐二】