今季5試合出場のみも…他球団から高評価の「走攻守3拍子そろった」DeNAの逸材は
お手本にすべき先輩打者
知野の良きお手本になるのが、同じドラフト6位で入団した宮崎敏郎だ。今年で36歳を迎えるベテランだが、昨年に打率.326で自身2度目の首位打者に輝くなど打撃技術は色褪せない。今季も打率.280、5本塁打、20打点をマーク。左太もも裏の軽い肉離れで6月7日に登録抹消されたが、万全のコンディションで復帰すれば打線の核になる。 宮崎は広角に安打を打ち分ける高い打撃技術だけでなく、選球眼の良さに定評がある。ボール球になる変化球を平然と見逃すが、昨年6月に週刊ベースボールのインタビューでその点について聞かれると、以下のように語っている。 「昔からではないと思いますね。今は、4打席ある中でのプランを立てて打席に立つことができています。その心の余裕ではないですけど、心持ちがボールになる球を振らなくさせているのだと思います。でも、若いときは『二軍に落ちたらどうしよう、どうしよう』っていう気持ちで打席に立っていたんですよ。打席数が少ないので、その1打席で『決めないと、決めないと』と考えてしまって、結果的にボール球にも手を出していましたから」 これは宮崎だけでなく、一流打者が一軍定着に向けて乗り越えてきた壁といえる。知野に再び一軍から声が掛かる機会は必ず来るだろう。そのチャンスを生かせるか。大輪の花を咲かせるため、ファームで牙を研ぐ。 写真=BBM
週刊ベースボール