【推し活・上級者向け】“推し活”と“課金”のバランスは? プロの考えを聞いてみた
今や日本人の3人に1人は<推し>がいる時代。アイドルやアニメ、キャラクターなどを<好き>という気持ちを超えて応援する活動=<推し活>という用語もすっかり浸透した。推し活にまつわる市場規模もますます成長しており、興味を持ち始めた人もいるはずだ。そこで『推し活を20倍楽しむ ~オルタナ好きの僕がグループアイドル沼に嵌った15年と学んだ秘訣20』の著者・中村辰之介さんに、“推しの対象がモチベアップする”ために、ファンができることや、“推しへの課金”について自身の経験から語ってもらった。 【画像】まさに「推し活」のガイド本! 中村氏の著書
■推しのモチベアップのために、ファンができる推し活とは
「推しには末長く活動してもらいたい。そのためにも<推しのモチベーションを高める>ように活動するのが、推し活だと僕は考えます。とは言え、仕事がどんどん狭まったら推し自身のモチベーションは保てません。その時、推し活勢はただ指を咥えて待っているしかない? いや、<推しの活躍の場がないなら、自分で作る>のも1つの手なのではないかと思います。 僕はクラウドファンディングを利用して、『かける人』という雑誌を作りました。初めてのことで失敗もありましたが、多くの推し活仲間の協力もあって、現在は年1回のペースで発行できています。 1ファンでも推しの活躍を作る方法は、いくらでもあると考えられます。必要なのは<推しの活躍を願う気持ち>と<アクセルを踏み出す勇気>。推しの活躍が減って気落ちしている方が、僕の経験を参考にしてくれたら、こんなにうれしいことはありません」
■グッズ購入に投げ銭…シビアに考えたい“推しへの課金”
「イベント参加やグッズ購入、ライブ配信の投げ銭など、推し活に課金は常について回ります。推し活にかけられるお金は人それぞれですので、いくらまでが適切だという目安もありません。僕が長年の推し活を通して学んだのは、<自分軸の課金が大切>だということです。 たとえば推しのCDを大量に積み上げた写真をSNSに投稿すること。それはもしかしたら他のファンに対する<マウント>なのではないか? あるいはライブ配信の多額の投げ銭も『自分はこれだけ投げた』という<見栄>になっていないか? 自分の心に問いかけて『いや、推しを推したい自分のためにやったことだ』と納得できるなら、ぜんぜんいいと僕は思います。 それでも、あくまで<無理のない範囲の課金>に留めてはいかがでしょうか。推しにのめり込むあまり自己破産に陥ったり、不本意な仕事に身を投じるなど、楽しかったはずの推し活が自分を苦しめてしまわないよう、くれぐれも注意して欲しいと思います」 【中村 辰之介プロフィール】 1983年、愛媛県宇和島市出身。奈良大学大学院文学部国文学科修士課程修了。現在、出身地で会社勤務。「栄、覚えていてくれ」名義でnote、ブログを中心に活動。クラウドファンディングにて自身の雑誌『かける人』を年1回のペースで発刊。kindle電子書籍による著書に『推し事3.0宣言』、『黄昏の彼女たち~AIイラスト+人間俳句』、『持続可能な推し事~推しと金、ファンと金~』がある。