ソフィア・コッポラ最新映画『プリシラ』とシャネルが手がけたウエディングドレス、その製作に迫る。
プリシラ役のケイリー・スピーニーが作中でつけたシルクチュールのベールは、4種類のサイズのパールビーズを500個以上、透明なガラスチューブのビーズを約50個、シルバーのガラスクリスタルを50個以上、そしてシルバーのラインストーンで作られた小さな王冠で固定されている。刺繍のアトリエであるモンテックスにて、手織りと針刺繍で作られた王冠の刺繍には50時間を要した。
「ココ・シャネルが芸術家たちと友情を築き、芸術をサポートしてきたことは素晴らしい功績です。現在もシャネルとヴィルジニー・ヴィアールにとって、芸術に積極的に関わり続けることが重要なのだと伝わってきます。シャネルが私の映画を支援し、それによってたくさんのことが実現可能になったことは、私にとって大きな意味を持つのです。シャネルは強い女性たちに基づいたメゾン。たくさんの女性が働いていて、あのガブリエル・シャネルによって設立されたのですから、多くの女性芸術家もサポートしていることにも納得がいきます。 そして、今作品の主人公プリシラの強さにも本当に胸を打たれるものがありました。今いる世界とエルヴィス・プレスリーの妻というアイデンティティ、それらをすべて捨てて自分の道を見つけるのは、70年代当時にはとても勇気がいることだったに違いありません。プリシラの物語が共感を呼ぶのは、彼女が大人の女性へと成長する過程で、少女や若い女性たちがみんな通るであろう多くのことを経験しているからです」(ソフィア・コッポラ) ●問い合わせ先: シャネル カスタマーケア 0120-525-519(フリーダイヤル)
text: Tomoko Kawakami, photography: Chanel