ワシントン・ポストの購読者が20万人減少、「ハリスの支持中止」で
米有力紙ワシントン・ポストは先週、ビリオネアで同社のオーナーであるジェフ・ベゾスの決定を受けて、今年の大統領選でカマラ・ハリス副大統領への支持を表明しないと発表した。これを受け、10月28日の正午までに同紙の有料購読者数の約8%に相当する約20万人が、デジタル版のサブスクリプションをキャンセルしたと公共ラジオNPRが報じた。 NPRは、この件に詳しい2人の関係者の話として、キャンセルの数は増加し続けていると伝えている。 また、この決定に反発して少なくとも2人の記者が辞職しており、編集主幹で元コラムニストのロバート・ケーガンはCNNに対し「この動きが、トランプの勝利に備えて彼に取り入ろうとするベゾスによる試みであることは明白だ」と語り、自身がすぐさま辞職を決断したと説明した。 ベゾスは、この決定についてまだコメントをしていない。 NPRが報じたところによると、ワシントン・ポスト紙の有料購読者数は、プリント版とデジタル版の両方の合算で約250万人という。同紙は、過去36年間にわたり大統領候補を支持しており、最後に支持をしなかったのは1988年に当時の共和党候補のジョージ・H・W・ブッシュが民主党のマイケル・デュカキスを破った時だった。 一方、ロサンゼルス・タイムズ紙のオーナーであるパトリック・スーン・シャンも、ハリスへの支持を表明しようとしていた編集委員会の計画を阻止したと先週報じられた。これを受けて少なくとも3人の編集委員が辞職し、200人以上の社員が管理職に説明を求める公開書簡を送った。同紙の購読者のうちの数千人が購読をキャンセルしたと報じられたが、正確な数は不明とされている。 ロサンゼルス・タイムズ紙の記者組合は24日の声明で、多くの読者がこの決定によって「怒りや不安」を感じていることを認めつつも、「サブスクリプションは、ニュースルームの何百人ものジャーナリストの暮らしを支えている」と主張し、購読をキャンセルしないよう呼びかけていた。
Molly Bohannon