ドジャース本拠地は投手に有利な球場 同球団での50本塁打は他球団とは違う価値あり
ドジャースでの50本塁打には、他球団とは違う価値があります。 大谷翔平投手（30）が前人未到の「50－50」を達成すると、同時に球団史上初の50本塁打になります。過去の歴史を見ると、ヤンキースが古くはベーブ・ルース、現在はアーロン・ジャッジと30球団で最も多い5人、のべ11人も50本塁打以上のスラッガーを輩出。それに対し、同じ名門球団なのにドジャースは1人もいません。 【写真】フリーマンの妻「夢がかなったわ」長男と大谷翔平のツーショット投稿 それは本拠地ドジャースタジアムが投手有利な球場だからです。1962年の開場以来、外野が広く、あまり打球も飛ばず、本塁打が出にくいとされています。そのため、過去最多が2001年のショーン・グリーンで49本。そのうち、本拠地でのホームランは19本だけでした。 そんな中、ドジャース移籍1年目の大谷は、本拠地で約半数の25本塁打を放っています。ちなみに、ホームでの年間最多記録は19年コディ・ベリンジャー（現カブス）の27本。残りホーム6試合で記録更新の期待もかかります。 ホームやロードに関係なくホームランを量産できるのは、並外れた打球速度があるからだと思います。15年にMLB公式データ解析システム「スタットキャスト」が導入されて以降、ドジャースの打球速度ランキングのうち、上位9位までを大谷が独占。中でも、4月27日の自己最速119・2マイル（約191・8キロ）は騒然となりました。 それと同時にホームランの飛距離です。今季の大谷は15年以降で球団史上最多の9本も飛距離450フィート（約137メートル）以上のホームランを記録。これはメジャー全体でも17年ジャンカルロ・スタントン（当時マーリンズ、現ヤンキース）の10本に次ぐ数字です。 中でも、7月21日のレッドソックス戦で打ったホームランは右中間場外か？ という飛距離473フィート（約144メートル）の超特大アーチ。15年スタントン（マーリンズ）の475フィート（約145メートル）に次ぐ、球場史上2番目に大きなホームランでした。 ちなみに、15年以降ドジャースタジアムでは、16本しか450フィート以上のホームランが出ていません。これはメジャー30球場の中で2番目に少ない数字ですが、そのうち大谷が既に6本も打っています。いかに大谷が規格外のパワーの持ち主なのかが分かると思います。 それだけドジャースでの50本塁打は特別な価値があり、ましてや「50－50」となれば不滅の金字塔と言えるでしょう。 【大リーグ研究家・福島良一】（ニッカンスポーツ・コム／MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」）
