選手の苦情は4年後に活かされるか? 選手村の“過酷実情”を米テニス選手も告発「環境は最高と言えるものではなかった」
パリ五輪で多くのアスリートたちの“拠点”となった選手村に対する告発は、大会が終わった今も続いている。 【画像】エアコンなしや食事事情にクレーム殺到! パリ五輪選手村の全容をチェック 招致時から「史上最も環境にやさしい大会」の実現を謳った組織委員会にとっては、いわば“象徴”と言うべき施設だった。しかし、現地時間7月18日に各国選手や関係者の入村が相次ぐと不平不満が噴出。実際に生活を送った選手の中にはより快適な環境を求めて実費で宿泊施設を借りる者もいた。 現役アスリートが「この状況は選手村として意味がない。オリンピックに挑んでいるアスリートをこんな風に扱うべきじゃない」(イタリアの男子競泳代表のグレゴリオ・パルトリニエリ談)と断じる事態となった。そんな4年後のロサンゼルス五輪に向けた改善が求められる中で、選手たちは声を上げ続けている。今大会のテニス男子ダブルスで銅メダルを手にしたテイラー・フリッツ(米国)は、米YouTubeチャンネル『Tennis Channel』で、こう論じている。 「半分ぐらいは選手村を去った。でも、僕らは残って一生懸命に準備を続けたよ。もちろん、別のホテルに比べたら生活環境は最高と言えるものではなかった。ツインサイズのベッドが置かれた最も狭い部屋だったからね。ベッド(段ボールベッド)は、僕はよく眠れたけど硬さは感じた。だから、問題とする選手は多いのは理解できる」 選手にとって用意された部屋が最適な環境ではないとしたフリッツ。一方で彼は、トップアスリートが一堂に会する選手村だからこそメリットも口にする。 「周りにいる選手たちは、それぞれの分野でトップにいる選手たちばっかりだ。そんなアスリートたちと同じ空間を共有できるという経験は、本当に素晴らしいものだったと思う」 果たして、4年後のロサンゼルス五輪では、今回の選手村で飛び交ったアスリートたちの声は活かされるのか。その構想は注目したいところだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]