判定勝ちという結果は「想像していなかった」

――最後にピンチを迎えたモロニー戦ですが、それを乗り越えての判定勝ち。試合前に判定勝ちを予想していましたか。 　まったく予想してなかったです。勝つならKOと思ってました。それも3ラウンド以内。だから12ラウンド目、欲が出たというのもあるけど、判定勝ちを想像してなかったから倒しにいっちゃったのかなとも思うんです。どっかで倒せると思っていたんですよ。そんなに甘くなかったですね。 ――武居選手にとっては「倒す」が常識というかゴールなのかもしれませんね。だから「主導権を握っている」とか、「ポイントでリードしている」という状況でも「よしよし」とは思えず、「倒せてない」という意識のほうが強い。そういう感情かなと想像します。 　そう、そうだと思います。試合が終わって、八重樫さんに「取りましたかね」って聞いたら、「大丈夫、大丈夫」と言われたんですけど、自分の中では判定を聞くのがすごく不安でした。 ――ポイントの計算をしていないということですね。それはたとえば、判定がモロニーの勝ちでもすんなり受け入れられてしまうくらいに？　 　向こうの勝ちと言われても、たぶん受け入れていたと思いますね。おかしいとは思わなかったと思います。映像を見返してみると勝っているとは思いましたけど、あの場では分かりませんでした。 ――世界王者にこんなことを言うのも失礼かもしれませんが、話を聞いていると、やっぱりまだキャリアが浅いと感じます(笑)。 　ほんと、あっさいんですよ(笑)。 ＜後編へ続く＞