令和の虎・竹内亢一社長が教える…「動画アカウント」を持っていない企業は時代遅れだと言える納得の理由
動画はデジタル名刺、作っていないと不利に
就活をしている24年卒の学生111名を対象にした興味深いアンケート結果がある。なんと59.7%が、「TikTok」がきっかけで企業に興味を持った経験があり、うち53.5%が実際にエントリーをしているというのだ。 【写真】これから給料が「下がる仕事」「上がる仕事」全210職種を公開 その理由を見ると、「企業イメージが掴めた」(67.4%)、「簡潔に企業の魅力が分かった」(44.2%)、「働いている様子が動画で分かりやすいため」(30.2%)という具合に、企業の雰囲気を視認できたことが安心感へとつながり、エントリーに踏み切ったことが伺える。 また、「お気に入りの企業のTikTokアカウントがあったら、フォローして動画を視聴したい」 と回答した学生は73.9%に上ることからも、若い世代へリーチする手段として「TikTok」をはじめとした動画が欠かせなくなってきている。 「動画は、デジタル名刺です。ホームページを作るように、動画のアカウントを持っていない企業は選ばれづらくなる」 そう話すのは、このアンケートを実施した動画制作やマーケティングを手掛けるSuneightの代表取締役社長・竹内亢一さん。今年2月に『知名度の上げ方』(クロスメディア・パブリッシング)を上梓し、動画を駆使して知名度を向上させる時代になっていると続ける。 「特に、若い世代に対してPRや販促を展開するとき、動画は相性が良いです。このアンケートは23年卒の学生にも行ったのですが、そのときは「TikTok」がきっかけで企業に興味を持ったと答えた学生は80.2%もいました。かつて、ショート動画共有サービス「Vine」(2016年にサービス終了)という6秒動画が流行りましたが、主に中高生が利用していました。その世代は、いわばショート動画ネイティブです。彼ら彼女らが就職活動をする年齢になったことで、「TikTok」などの動画を活用した採用やプロモーションが必要になってきている」(竹内さん、以下同) 先のアンケートでは、TikTokを活用した採用活動を行う人事担当者111名にもアンケートを行っている。「応募人数が増えた」 (72・4%)、 「面接通過率が向上した」(35・7%)、「認知が拡大した」 (30・6%)という回答が上がるように、手ごたえを感じている人事担当者は多い。 「動画の良い点は、求人として公開したものが集客にもつながる点です。求人と集客の双方を同時に掴むことができるのは、誌面や自社のホームページの求人ではできないこと」 たしかに、限定的な情報にとどまってしまう文字と違い、動画はたくさんの情報を発信することができる。先の「企業イメージが掴めた」ではないが、“読む”のと“見える”のとでは頭に入ってくる情報量が違う。そのため、竹内さんは「単に動画を作ればいいと言うわけではなく、動画を見る人=見込み客と考え、ナーチャリング(顧客育成)の視点から動画を作らないといけない」と語る。 これは就活生に限った話ではなく、ユーザーに向けて動画を発信する場合、「必ず心がけるべきこと」だという。 「たとえば、エステティシャンが動画を作るとき、公開している動画のラインナップが、フェイシャルエステや痩身術、自社商品に関連する動画ばかりなら、このアカウントにアクセスする人は、エステに興味ある人だけになってしまいます。これではもったいない。エステに関心がある人は、自分の体や心がキレイになることにも関心があるはずです。 そのため、健康志向やオーガニック志向の強い人もユーザー像として考慮すると、「エステティシャンが教える肌に潤いをもたらすお水ランキング」のような企画があってもいいはずです。「好きかもしれない層」を意識して作ることが大切なんですね」