「人間かしらと思うほど綺麗でした」吉永小百合「たった5人」の結婚式…立会人になった「演歌歌手」夫妻が振り返る“国民的女優”の晴れの日
当日は朝から大勢のマスコミが
当時43歳の岡田はバツイチで、吉永より15歳年上であった。離婚歴のある男との年の差婚なんて、今では大して珍しくもないが、 「小百合さんのお父さんは、東大出のエリートで、娘にも外交官のような人を婿にしたいという考えがあったようです。だから、岡田との結婚にも頭から反対していた。それもあって、彼は『2度目だから、大げさにやりたくない。本当は式もやるつもりはなかった。でも、小百合がどうしてもというので、お前の所で挙げようと思うんだ』と言われたのです」 千秋は岡田から懇願され、その申し出を受け入れた。しかし、式まではたった3日しかない。 「みどりが色々準備をしてくれました。我が家には以前、番いの鳥がいましたが、一羽死んでしまった。それじゃ縁起が悪いと、もう一羽買ってきたり……」 妻の畠山も言う。 「とにかく、慌てちゃってね。習字が得意なうちのスタッフが〈岡田さん小百合さんご結婚おめでとうございます〉と書いた垂れ幕や、お花も用意しました。ワーグナーの『結婚行進曲』のレコードも買いましたよ。式のことは誰にも言いませんでした。ところが、当日は朝5時から自宅の前に160人ものマスコミが集まって……」
人間かしらと思うくらい綺麗だった
当日は午前9時半過ぎ、岡田と吉永が千秋邸に到着。千秋夫妻以外には、吉永側の立会人として女優の奈良岡朋子が出席した。吉永の両親は姿を現さなかった。式は午前11時前から約1時間かけて行われたが、 「小百合さんは正装ではなく、夏だったので、白地に黄色い花柄のノースリーブのブラウスを着ていました。ラフなのに本当に素敵でした。まぁ、輝いて輝いて。蝋人形のように色が白く、人間かしらと思うくらい綺麗でした」(畠山) 結婚行進曲が流れると、岡田と吉永は腕を組み、1階の応接間から3階まで続くバージンロードに見立てた階段を上り始める。そして、8畳ほどの和室に辿り着いた。 「結婚式の専門家に聞いたりしませんでしたから、全体の進行は、モタモタしてましたね。『三三九度はどうやるんだっけ?』なんて言いながら。すると奈良岡さんは、ドラマで結婚式のシーンを多く経験していたので、段取りをよく知っていて、『こうやるのよ』なんて教えてくれました」(畠山) 「三三九度では、お正月のお屠蘇の杯を使いました。その時、小百合さんは目が赤くなって、潤んでいました。抜群に美しかったな」(千秋)