山崎まさよし、26歳年下の“相方”酒井大成とリスペクト関係構築「お菓子が僕らを結び付けた」<三ツ矢先生の計画的な餌付け。>
松本あやかの人気漫画を実写ドラマ化したMBSドラマフィル枠「三ツ矢先生の計画的な餌付け。」の放送がスタートする。本作で50代のイケオジ料理研究家・三ツ矢歩を演じる山崎まさよしと、歩の担当編集者となる石田友也に扮する酒井大成。 【写真】26歳年下の“相方”酒井大成と和気あいあいと話す山崎まさよし 山崎にとって連続ドラマの主演を務めるのは、「奇跡の人」以来26年ぶり、酒井はスーパー戦隊シリーズ47作目となる「王様戦隊キングオージャー」での主演に続く作品となる。ベテランアーティストと若手俳優が織り成す年の差ラブストーリー。ダブル主演で臨んだ撮影の日々を振り返った。 ■26年ぶりのドラマ主演も「大成くんがいるのでなんとかなるんちゃうか」 2020年から2022年まで「マンガよもんが」で連載された松本あやかの人気漫画を実写化した本作は、女性誌の環境に馴染めずに悩んでいた編集者の石田が、先輩のピンチヒッターとして人気料理研究家の三ツ矢の担当編集になったことから、三ツ矢と心を通わせていく姿を描くヒューマングルメラブストーリーだ。 ――脚本を読んでそれぞれ演じる役をどのように捉えていったのでしょうか? 山崎:好きなことを仕事にしているという部分では、自分とかけ離れているキャラクターではないなと感じました。料理研究家という部分では、僕の知り合いにもいるので、それほどイメージしにくい職業でもないなという印象でした。 酒井:ファッション雑誌の編集者というのは、想像つかない職業だったので、知り合いの編集者の方に話しを聞きに行ったり、現場でも教えてもらったりしました。あと僕が演じた石田というのは、プロ野球選手を目指していた人物なのですが、僕もずっとサッカーをしていたので、夢が破れてやりがいのない中、過ごす葛藤みたいなものは、とても感情移入することができました。 ――山崎さんは『奇跡の人』以来、26年ぶりの連続ドラマ主演となりましたが、オファーを受けてすぐ「やろう」と思ったのですか? 山崎:二つ返事みたいな感じではなかったです。過去に連続ドラマをやったときも「大変だったな」という印象があったので。ただ、若い大成くんとのダブル主演ということだったので、「なんとかなるんちゃうか」みたいに高を括った部分はありました(笑)。あとは設定が僕と同い年のキャラクターだったので、あまり無理しないでもできるのかなと思ったんです。 ――酒井さんはお相手が山崎まさよしさんと聞いていかがでしたか? 酒井:アーティストとして偉大な方で、昔からよく拝見していたので、最初はめちゃくちゃ緊張しましたし不安でした。でも読み合わせのとき「大成くん、お菓子食べる?」と声を掛けていただいて。その後も、でもすごく気さくに「大成くん~」って距離を詰めてくださるので、とてもやりやすかったですし、感謝しています。 山崎:読み合わせのとき、一人ポツンと座っていたので、遠慮しているんだろうなと思って声を掛けたんです。その意味でお菓子が僕らを結び付けたんだよね(笑)。やっぱり食事とかご飯ってコミュニケーションをとるうえでは大切だよね。ドラマのテーマでもあるしね。ロケ弁とかもずっと同じもの食べているしね。 酒井:確かに料理の力ってありますよね。食べているだけで、気づかないうちに感情が引き寄せられたりしますよね。 ■料理へのこだわり……「アミノ酸かな」 ――お芝居で対峙してみていかがでしたか? 山崎:大成くんはとても真摯にお芝居をしているなと。現場でも監督と真剣な面持ちでディスカッションしているんですよね。僕は芝居論などを学んだ人間ではないので、感覚でお芝居をしているのですが、大成くんはちゃんとシーンに行くまでの過程をしっかりと意識しているので、当たり前なのですが「あー俳優さんなんだな」って思いました。 酒井:僕は作品に入る前に(山崎が主演を務めた映画)『月とキャベツ』を観たのですが、今回の三ツ矢先生とは真逆の役で……。本当にすごいなーと思いました。 山崎:両極端だよね。包み込むのと突き放す……(笑)。 酒井:本当に全く違うキャラクターなのですが、違和感がなかったです。すごく気持ちよく(芝居を)受けさせていただきました。 ――料理がテーマの本作。食べる方、作る方のどちらでも構いませんが、料理へのこだわりはありますか? 山崎:アミノ酸かな(笑)。うまみというか……。僕が昔厨房でバイトしていたとき、白ワインやミリンとか、そういうのを料理で使っていたのですが、一味足して……みたいなことはこだわっていますね。食べる人、僕の場合は家族ですが、やっぱり完食してくれたら嬉しいじゃないですか。 ――結構料理をされるんですね? 山崎:そうですね。でも子供が小さいときは好き嫌いが多いじゃないですか。うちの下の娘はトマトを嫌がって。食わず嫌いなので、何とかして食べさせようとするのですが、難しいですね(笑)。 酒井:そういうところまで考えているんですね。 山崎:そうね。でもやっぱり小さい子供って甘いものとかが好きでしょ。コーラとか炭酸飲料ばっかりだから。なかなか子供が喜ぶ料理を作るのは難しい。 ――酒井さんは料理されるのですか? 酒井:しないですね(笑)。その意味で石田と似ているのかも。 山崎:コンビニ飯? 酒井:恥ずかしながら多いですね。でもこの作品に入ってから、すごく興味が出てきました。ドラマでかつ丼を作ったので、家でも挑戦したいです。 ■二人にとってリスペクトできる存在とは!? ――三ツ矢先生と石田の関係性が素敵ですが、お二人にとって魅力に感じる人間像はありますか? 酒井:僕はリスペクトできる人。自分にはない考えなどをする人には惹かれますね。自分から「その人のことを知りたいな」と思ってしまいます。 山崎:僕は、お亡くなりになってしまいましたが、大杉漣さんはとても大好きでした。仲良くさせていただいていたのですが、とてもアグレッシブであり謙虚。若い人の自主製作映画などにも参加されていて、地方の撮影にも行かれていたんですよね。大成くんも尊敬です。僕セリフ覚えるのがとても苦手なのですが、すんなりですからね。 酒井:僕のようなペーペーが言うのもおこがましいですが、山崎さんは作詞作曲して皆さんの前に提示して……。本当に格好いいし尊敬しています。 ▼スタッフクレジット 【山崎まさよし】 ヘアメイク:島徹郎(juice) スタイリスト:庄 将司 【酒井大成】 ヘアメイク:茂木梨沙 スタイリスト:庄 将司 (取材・文:磯部正和)