「残念すぎる」伊藤詩織さんによる“権利侵害”を元代理人が告発…映像・音声を“無断使用”で落胆の声続々
元TBS記者・山口敬之氏に性暴力被害を受けたことを公表したジャーナリスト・伊藤詩織氏が監督を務めたドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』が物議を醸している。内容変更を求めているのは、山口氏との民事裁判で伊藤氏の代理人を務めた西廣陽子弁護士だ。 【写真あり】権利を侵害したと批判されている映画『Black Box Diaries』 「伊藤さんが性被害を訴えたのは、2015年のことでした。当時、25歳の彼女が山口氏に就職の相談をするために都内の飲食店で会った後、意識がないままホテルに連れ込まれ、無理やり性行為をされたという内容です。刑事訴訟は不起訴となりましたが、民事訴訟では2022年7月に山口氏に約332万円の賠償金が命じられました。彼女の被害が認められるまで、じつに7年もの歳月がかかったというわけです。 伊藤さんは、自身の裁判での闘いを自らカメラを回し記録。そして、証拠となったホテルの防犯カメラ映像や、弁護士との会話を録音した内容まで入れ込んで完成した作品は、2024年1月『第41回サンダンス映画祭』の国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門で上映されました。 日本での上映は未定ですが、世界各国の映画祭に出品されるなど注目を浴びています」(社会部記者) 性暴力被害に対して、声を上げ続けてきた伊藤氏。しかし、「暴力が振るわれたようでした」と伊藤氏の“無断使用”を明かした西廣弁護士は悲痛な思いを吐露した。 「10月21日に都内で開かれた会見では、作品内で使用されているホテルでの防犯カメラ映像は、“裁判以外で使用しない”とホテル側と誓約をして提供を受けたものだと主張しました。さらに、西廣弁護士と伊藤さんの会話は“無許可”で録音され映画で流されたと指摘。ルールを破れば、証拠の少ない性加害事件において、証言をしてくれる人や防犯カメラ映像を提供してくれる協力者がいなくなってしまうのではないかと危惧したのです」(同前) 一方、伊藤氏は毎日新聞の取材に対し「提供された映像をそのまま使用しているわけではなく、プライバシーに配慮して作り直したものであり、会見内容は事実と違う」と元代理人と真っ向から対立する姿勢のようだ。 伊藤氏の権利侵害疑惑に、Xでは落胆の声が相次いだ。 《続報を待ちたいが、自分がされた権利侵害と戦ってきたひとが、他者の権利侵害をしちゃいかんよなぁ》 《会見内容と伊藤詩織さんの弁明を読む限り、伊藤さんの認識が甘い印象。加工しようが、許諾を受けてない素材を使用するのはアウトでしょう。法務チェックが通ってるという言い訳も責任転嫁》 《これまでの活動を密かに応援していただけに残念。今後の被害者のためにも、指摘を真摯に受け止めて欲しい》 映画の制作を担当した「スターサンズ」の公式HPでは、作品について 《自身が被害にあった性的暴行への勇気ある調査に乗り出していくその姿を自ら記録した、これまでにない形のドキュメンタリー映画です》 と謳っている。伊藤氏が闘い続けた勇気はもちろん素晴らしいものだが、権利侵害という“蛮勇”であれば、賛同できる人は多くなさそうだ……。