突然の指摘に背筋凍る……隠すはずの恋だったのに|大河ドラマ『光る君へ』第37回
家族との団らんを楽しみたかっただけのはずなのに
冊子が出来上がったタイミングで、彰子に「里に下がりたい」と申し出るまひろ。驚きの表情を浮かべる彰子だが、娘にも会いたいし、父の顔も見たいとまひろがいうとハッとした表情を浮かべる。自分がまひろにそばにいてほしくて、そこまで考えが至らなかった、と言う彰子。 必要最低限のことしか話そうとしなかった彰子が、こんなにもはっきりと自分の思いを伝えるだなんて……と少し感動してしまう。表情もすっかり豊かなものとなっており、その変化は著しい。 内裏に戻る前には帰ってきてほしい、という彰子。まひろもその言葉にうなずいて、実家へと帰る。職場で惜しまれ、必要とされているということがよく分かる。 が、実家に帰って同じ対応をされるかというと……そんなことはない。どちらかというと、逆だ。 特に、まひろの娘・賢子の態度は頑なだ。最初からまひろに対して線を引いている印象があるし、まひろの話もあまり響いていない。 しかし、酔ったまひろは気分よく、内裏での生活を話す。職場で自分ががんばった話、周りの人から高い評価をもらったら、そりゃあ話もしたくなる。「がんばったね!」と言ってもらいたくなる。みんなに内裏での様子を知ってほしい、という気持ちと同時に、こんなに認められているのだ、と言いたかったのかもしれない。しかし、聞いているみんなの表情が冴えない。 挙句、賢子には、「内裏にいるほうが楽しいんでしょ」と言い放たれてしまう。さすがにこれにはショックを受けるまひろ。 とはいえ、こういう反応になってしまうのは仕方がないのかもしれない。家族のために働いているが、まひろは物語を書くことを楽しんでいる。そして、少しの期間で、内裏の生活にも慣れてしまった。だから、久しぶりに帰ってきた生家も少しみすぼらしく思えてしまう。それを自身の成長と捉えるか、よくない方向へと意識が変わってしまったのか。難しいところである。
清少納言とご対面……!?
自分が書いた物語が評価され、仕事で一定以上の成果を出し、彰子には頼られ、初恋の人はすぐそばにいる。まひろの絶好調ぶりが伺えたが、少しずつ雲行きが怪しくなってきているように感じる。 そんなまひろのもとに清少納言(ファーストサマーウイカ)が尋ねてきた。まひろが書いたものを読んだ、という清少納言。一体、どのような言葉をまひろに投げかけるのか。友人同士だったふたりの関係は、どのように変化していくのか。悪い方向に向かわなければいい、と願わずにはいられないが……。 <文/ふくだりょうこ> 【ふくだりょうこ】 大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ
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