鍵山優真、4度目の世界選手権に新技『4回転ルッツ』投入 イリア・マリニン倒し初戴冠狙う【名古屋フィギュアスケートフェス】
新春恒例のアイスショー「名古屋フィギュアスケートフェスティバル」(中日新聞社など主催)が4日、名古屋市の日本ガイシアリーナで開かれた。2年ぶり21度目の開催で、今季の全日本選手権を制した男子の鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大、3年連続世界女王の坂本花織(24)=シスメックス、今季のジュニア・グランプリ(GP)ファイナルで史上初の3連覇を達成した女子の島田麻央(16)=木下グループ=らが出演。新年の初滑りでファンを魅了した。 理想通りじゃ、つまらない。「自分でも想像できないような自分を目指して頑張りたい」。自分が思った通りが目標なら、成長はそこで止まってしまうから。「このスポーツはゴールがない、限界値がないことが自分の中でやりがいがある。ひたすら高みを目指して頑張りたい」。鍵山は、覚悟のこもった口調で言った。 2024年は狙った大会で勝つことで自信を得た。多くの選手が優勝を目指した全日本選手権を圧勝し、初の日本一。「この全日本選手権は絶対に優勝したいという思いがもちろんあった。そこは優勝できて自信にもなった」。苦難の色合いも濃かったシーズン前半、重圧に耐えて得た初優勝の意味は大きかった。 4度目となる世界選手権は宿敵であるイリア・マリニン(米国)を倒しての初戴冠へ、フリーで「挑戦の部類に入る」新技4回転ルッツ投入を明言。4回転ジャンプではクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に次ぐ基礎点を持つ大技は、現在構成のどこに加えるかを思案中。既に単体の練習では手応え十分で、曲をかけた中での成功へ精度を磨く。 鍵山は今季のショートプログラム(SP)曲「サウンド・オブ・サイレンス」に乗って新年最初の滑りを披露。「アピールしたい」と意気込んでいた通りの華麗な表現で会場を魅了した。世界の頂点を見据え、新たな一年へ鍵山が走り出した。
中日スポーツ