オジェ、WRCの新ポイントシステムに納得できず「理解できないよ。僕が間違っているといいんだけど……」
世界ラリー選手権(WRC)は今季、日曜日の走行にスパイスを加えることを目的に、新たなポイントシステムを導入する。 ドライバーが1イベントで最大30ポイント獲得できるのは変わらないが、その配分がこれまでとは異なる。土曜日の走行が終わった時点で、トップ10のドライバーに18-15-13-10-8-6-4-3-2-1ポイントが与えられる。なお、このポイントは日曜日の走行を終え、無事にラリーを走りきったドライバーにのみ与えられるものであり、日曜日の走行で完走できない事態に陥った場合、そのポイントは次順位のペアに与えられる。 また、パワーステージの上位5台に最大5ポイントのボーナスポイントが与えられるのは変わらないが、日曜日の走行タイム上位7台に、7-6-5-4-3-2-1点が与えられる。 つまり土曜日までの走行で独走していたとしても、日曜日の走行で守りに入りパワーステージでの加点もできなければ、獲得ポイントで2位以下に逆転される可能性も十分あるということだ。 今季はカッレ・ロバンペラとマシンをシェアする形でWRCに参戦しているオジェにとって、選手権ポイントの獲得は最優先事項ではないが、なぜこのコンセプトが採用されたのか理解に苦しんでいる。 新しいポイントシステムがモンテカルロでのタイヤ戦略にどう影響するかという質問に対して、オジェは「ポイントにはあまり興味がない」と答えた。 「僕にとって明確なターゲットは、総合優勝であることは確かだ」 「とにかく、この新しいルールは理に適っていない。理解できないよ。僕が間違っていることを願うけど、今のところシステムを変えるのは不都合にしか思えない」 新しいポイントシステムについて、日曜日のショー的な価値が改善されると思うかと尋ねられると、オジェは次のように付け加えた。 「勝利の価値を大きく引き下げ、複雑なものにするだろう。ラリーが本当に好きなオタクを除けば、広く一般に理解されることはないだろう」 「そしてどこかの時点で『え、何? この人は優勝したのに最高得点じゃなかった。そんなこと起こるの?』って感じになるだろう」 「日曜日の”作戦”を避けることはできても、その前からもっと大きな作戦を立てることができてしまうんだ」 「もし誰かがラリー序盤で問題を抱えていたら、その彼は限界までハードに走らず、日曜日の50kmでプッシュするためにタイヤとマシンをセーブして12ポイントを獲得するんだ。そんなの全く論理的ではない」 「僕はステージ優勝1回につき1ポイント獲得にすることを提案したんだ。なぜだめなんだ? そうすれば誰もが常にポイントを獲ることができるんだ」 新しいポイントシステムについては開幕戦ラリー・モンテカルロのサービスパークでも意見が分かれており、総合優勝の価値が軽視されていると指摘するドライバーがいる一方、M-スポーツはこの変更を称賛しているようだ。 今回のラリー・モンテカルロはより冬らしいコンディションを求め、北のギャップを拠点とする形に戻ったが、道路には雪や氷はほとんどないようだ。 インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ時代も含めラリー・モンテカルロを9度制し、今年10勝目を狙うオジェは、それでも攻略は難しいと考えている。 「簡単にはいかないだろう。雪がないから楽だろうとすぐに結論づける時もあるけどね」 「南部で行なわれていた過去2年はそうだったかもしれないが、今のステージにはトリッキーなセクションがある。特に早朝は霜が降りるだろうし、氷が張るところもあるだろう」 「特に雪がほとんどない場合は、スリックタイヤで走らなければならない。スリックタイヤで走る区間はとてもトリッキーになる。今年がどれだけ難しいかはこれからわかるだろうが、簡単ではないと確信している」
Tom Howard