【目黒記念回顧】シュトルーヴェが重賞を連勝 4歳馬サトノグランツは持続力勝負で見直したい
不得手な瞬発力勝負になった4着サトノグランツ
2、3着は流れに乗れたシュヴァリエローズ、クロミナンスが入った。シュヴァリエローズはディープインパクト産駒で軽いレースがマッチした。とはいえ2歳で萩Sを勝ってから、4歳1月寿Sまで長く勝ち星に見放されていた。ディープインパクト産駒にしては決め手を欠くタイプで、軽いレースは決して得意とはいえない。しかし、6歳にして東京芝2400m以上で連続好走と変化を感じる。前で流れに乗れるようになっただけではなく、前で粘りながら速い上がりに対応できるようになった。早熟の気があるディープインパクト産駒としては珍しい。兄弟にはローズノーブル、ローズミラクルなど5、6歳で勝ち星をあげた馬もいる。母系の成長力がここにきて変化を生んだようだ。GⅡでこれだけやれれば、まだまだ楽しめる。先行できるのも強みだ。 3着クロミナンスも7歳ながら、これでキャリア13戦と消耗していない。今年はGⅡで3、2、3着と健闘している。ただ、2500mでも東京の瞬発力勝負は少し厳しいかもしれない。ある程度ごまかしが効く中山の方が強みを発揮しそうだ。適性の差とハンデ57.5キロという状況を踏まえるなら3着は健闘だろう。一方で、昨年のノベンバーSから4戦連続で馬体重が減っており、あわせて22キロ減は気になる。ひと息入れるようならいいが、続戦するなら頭に入れておこう。 4着サトノグランツはクロミナンス、シュヴァリエローズと同じような位置にいたが、内に入った分もあったか少し反応が遅れた。エンジンのかかりが遅いようで、最後は脚を使って差を詰めたが、勝負所の反応が明暗を分けた。58.5キロというハンデも響いたかもしれないが、サトノダイヤモンド産駒特有の瞬発力で見劣る面もあった。持続力勝負で見直したい一頭だ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳