バービーさんの新たな夢「ホテルのロビーに飾るようなでっかい生け花をつくりたい!」
お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさん。北海道で生まれ育った植物を愛する超自然児が、東京の荒波にもまれ、芸人を志し、たどりついたのはガーデンデザイナー......と思いきや、今度は生け花にチャレンジです! 趣味の園芸テキスト連載「バービーの すすめ!花道 第10回 華道にワクワク!」より、一部抜粋。
部屋と花とオニギリとイモトアヤコと私
実家で切り花を飾るといえば仏壇の前だけ。それもまた、店で買ったものではなく、庭で切ったリンドウやスイセンがほとんどでした。自然豊かな北海道で生まれ育った私が切り花を買うようになったのは上京してから。しかも、自分がお笑い芸人になれるかどうかもわからなかった養成所時代、人生で一番貧乏だったその時期も、なぜか花だけは欠かさず飾っていたみたいで。当時、コンビを組んでいたイモちゃん(イモトアヤコ)が私の暮らす高円寺の狭いアパートによく泊まりにきてたんですけど。翌朝、私がバイトで家を出たあとに目を覚ますと、テーブルの上にはいつも数輪の質素な切り花が飾られていて、その傍らには必ずといっていいほど私がイモちゃんのために握ったオニギリが置いてあった......らしいんですよね(笑)。私はまったく覚えていないんですけど、イモちゃんのエッセイ『棚からつぶ貝』にそう書いてありました(笑)。 部屋に花を飾るのが好き、そんな私が生け花に興味をもつのはしごく自然な流れでした。ガーデンデザインなのか、フラワーアレンジメントなのか、生け花なのか......大好きな花や植物とどう関わるべきなのか悩み、結果、私はガーデンデザイナーの資格を取得することを決意するのですが。資格を取ったあともずっと、心の隅に生け花への興味が残っていて、人生の壁にぶち当たるたびにその興味がむくむくと湧き上がってくるのです。芸人にはなれたけれど、一流の芸人にはなれなかった、笑いの"センス"で生きることができなかった、そんなコンプレックスが私の中にはずっとあって。そのセンスを大好きなお花の世界になら見つけることができるんじゃないか、何か偉業を成し遂げられるんじゃないか、そこでなら何者かになれるんじゃないか......。そんな思いから、スマホを開き、Googleマップで近場の生け花教室を探し始める、それが壁にぶち当たったときのいつもの流れでした。なのに、最初の一歩を踏み出してこなかった私ですが、じつは最近、ついに教室に通い始めたんですよ。