東京住みなら30歳まで「実家暮らし」でいいでしょうか?25歳になって周りが「一人暮らし」を始めましたが、焦るべきですか?
貯蓄や収支バランスの面から、実家から職場に通う方は珍しくありません。特に東京都は家賃相場が高い傾向にあるため、一人暮らしだと生活がギリギリという方も少なくないでしょう。現実には、両親と一緒に暮らしていても、結婚や転勤を機に独り立ちが必要になる可能性はあります。 今回は、そのようなライフイベントがなくても、周囲が一人暮らしを始めて「自分はこのままでいいのだろうか」と焦ってしまう方のために、25歳の一人暮らしについて解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
一人暮らしをしている25歳はどれくらいいる?
総務省統計局が公表した「令和2年国勢調査」によれば、25歳~34歳の人のうち、一人暮らしをしている割合は男性が28.8%、女性が19.7%でした。全年齢、男女合計では、38.1%です。単独世帯以外では結婚して自身の家庭を持っているという世帯もあると思われますが、若い世代で一人暮らしをしている方は、全体では半数にも満たないことが分かりました。 実家暮らしにおける最大のメリットは、貯蓄を多くできるところです。給与から一定額を家に入れたとしても、一人暮らしをするよりは貯蓄に回せる金額は多いでしょう。住居を分けないため賃料や住宅の維持費は節約できますし、ライフラインの基本使用料も1世帯分で済みます。収入が少ないまたは貯蓄を重視したい場合は、実家暮らしのほうが有利です。 ■一人暮らしにかかる費用 総務省統計局が公表した「家計調査 家計収支編(2023年)」の単身世帯の家計収支によると、賃貸暮らし(民営借家)における1ヶ月あたりの平均消費支出額の内訳は表1の通りです。 表1
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表(2023年)」を基に筆者作成 表1の数値は全国平均のため、地価の高い東京都などの都市部では賃料が上昇する可能性はあります。総務省統計局が実施した「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、東京都の民営借家における1ヶ月の家賃平均は、9万3973円でした。上記の全国平均より4万円ほど高いため、毎月の消費支出合計は20万円以上になると推測されます。 ただし、一口に東京都といっても、エリアによっては安い賃料のところも存在します。物件探しにこだわれば、表1の住居費に近い物件は見つかるでしょう。 ■一人暮らしを始める際にかかる費用 実家を出て一人暮らしを始める際、賃貸物件の仲介手数料や家具・家電の購入など、高額な初期費用がかかります。このあたりは物件の賃料や個人の趣味嗜好(しこう)によって変わりますが、数十万円単位の費用は覚悟しなければなりません。 例えば、家具・家電を一式すべて購入する場合は、少なくとも20万円以上で見積もっておいたほうがよいでしょう。また実家にある自分の物を持っていくなら、引っ越し費用がかかります。 さらに賃貸物件の仲介手数料や敷金・礼金、鍵の交換代や保険料といった諸費用を合わせると、賃料の5ヶ月分程度の費用がかかる可能性があります。実家を出て一人暮らしを始めるなら、ある程度のランニングコストを用意しておかなければならないと分かります。
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